今回の騒ぎでこちらに対して怒っているというのであれば、結果的に、入学して一週間と一日目にして、授業を一時間さぼってしまったというのも悪くない気がした。
これで彼女の『好き』という勘違いに終止符が打たれるというのであれば、上等である。そう思ってチラリと目配せすると、拓斗が「あ~、なるほど」と掌に拳を落とし、そろりと動き出した。
「俺、お邪魔みたいなんで、先に屋上に行ってるわ」
初めて彼女を屋上に呼び出して以来、理樹と拓斗はそこで昼休みを過ごしていた。拓斗が「部活を立ち上げるまではここを休憩所にするぜ」と決めて、担任に、まだ校内が騒がしいので落ち着けませんと言い訳して、昼休みに鍵を開けてもらっているのだ。
拓斗がそそくさと退出してすぐ、彼女がこちらに歩み寄ってきた。
「私、怒ってます」
そんな彼女の顔を見つめて、理樹は「だろうな」と答えた。ベッドに座り、シャツの第一ボタンをとめて、ネクタイを締め直しにかかる。
これで彼女の『好き』という勘違いに終止符が打たれるというのであれば、上等である。そう思ってチラリと目配せすると、拓斗が「あ~、なるほど」と掌に拳を落とし、そろりと動き出した。
「俺、お邪魔みたいなんで、先に屋上に行ってるわ」
初めて彼女を屋上に呼び出して以来、理樹と拓斗はそこで昼休みを過ごしていた。拓斗が「部活を立ち上げるまではここを休憩所にするぜ」と決めて、担任に、まだ校内が騒がしいので落ち着けませんと言い訳して、昼休みに鍵を開けてもらっているのだ。
拓斗がそそくさと退出してすぐ、彼女がこちらに歩み寄ってきた。
「私、怒ってます」
そんな彼女の顔を見つめて、理樹は「だろうな」と答えた。ベッドに座り、シャツの第一ボタンをとめて、ネクタイを締め直しにかかる。