「俺はろくでもない人間だよ、悪党みてぇな奴さ」
「顔が無愛想のうえ素行も悪いが、ついでに言うと美少女への態度も間違ってるけど、ろくでもないわけじゃないぞ?」

 本当に悪党みたいな人間だったんだ、魂は前世と何も変わっていない――理樹は無表情でそう思いながら、拓斗を見つめ返した。

「おい拓斗、それは褒めてんのかけなしてんのか、どっちだ?」
「褒めてる。ちなみに男からは、絶賛妬みと羨ましさを集め中だぜ」
「最悪だ」

 それで、と理樹は八つ当たりに近い口調で言った。

「お前の方こそ、部活の件は進んでいるのか?」
「今ネタを絞り出しているところだ。お前を部員に入れれば、最低条件の『部員二名から』はクリアだからな! あとはカモフラージュの活動内容だけなんだぜ」
「…………」

 一週間も考えて何も出てこないということは、もう無理なんじゃなかろうか。

 とはいえ、まぁ避難所と考えれば悪くないのかもしれない。車の送迎があった中学時代と違い、今は放課後も自由に時間が使える。