ふっと意識が浮上して目を開けると、白い天井が目に留まった。
さほど時間の経過はないらしい。頭上にある窓の外から、濃くなった橙色の光りが射しこんでいた。チラリと目を向けると、自分が白いカーテンに仕切られたベッドに横たわっていることが確認できた。
どうやら、ここは保健室であるようだと、一度世話になった時を思い出してそう理解したところで、すぐそこに座っていた拓斗と目が合った。
「理樹、お前大丈夫か? 沙羅ちゃんが慌てて俺らを呼びに来た時は、びっくりしたぜ」
「『俺ら』……?」
訝って尋ね返すと、拓斗が悪びれた様子もなくこう答えた。
「何かあったら心配だと思って、近くで待機してたんだよ。お前がどう返事して、一体どういう形で決着がつくのかは分からないけど念のためにな。だって、俺らって泣く女を慰めるとか無理そうじゃん?」
そう言って、拓斗がある方向へ親指をくいっと差し向けた。
そこには仁王立ちしているレイがいた。彼女の眉間には、かなり深い皺が入っている。雰囲気はまさに、不機嫌の絶頂を極めている、と見る者に伝えてくる威力のままレイがこう言った。
さほど時間の経過はないらしい。頭上にある窓の外から、濃くなった橙色の光りが射しこんでいた。チラリと目を向けると、自分が白いカーテンに仕切られたベッドに横たわっていることが確認できた。
どうやら、ここは保健室であるようだと、一度世話になった時を思い出してそう理解したところで、すぐそこに座っていた拓斗と目が合った。
「理樹、お前大丈夫か? 沙羅ちゃんが慌てて俺らを呼びに来た時は、びっくりしたぜ」
「『俺ら』……?」
訝って尋ね返すと、拓斗が悪びれた様子もなくこう答えた。
「何かあったら心配だと思って、近くで待機してたんだよ。お前がどう返事して、一体どういう形で決着がつくのかは分からないけど念のためにな。だって、俺らって泣く女を慰めるとか無理そうじゃん?」
そう言って、拓斗がある方向へ親指をくいっと差し向けた。
そこには仁王立ちしているレイがいた。彼女の眉間には、かなり深い皺が入っている。雰囲気はまさに、不機嫌の絶頂を極めている、と見る者に伝えてくる威力のままレイがこう言った。