理樹は、静かに鞄を拾い上げた。それから、拓斗を通り過ぎて部室を目指した。
しばし迷いを見せた拓斗は、ひとまずは労うように「……ナイスな救出劇だったぜ」と声を抑え気味に言って、彼の後を追うように部室に入った。冷房機の電源を入れて、しっかりと扉を閉める。
「なぁ理樹、俺はとやかくいうつもりはなかったんだが……一緒にある程度過ごして、お前も彼女が良い子だってことは分かってるだろ?」
先程から無言を貫いている親友の背中に向かって、拓斗はそう声をかけた。
理樹は足を止めず、中央にある、四つの勉強机が一つの大きなテーブルを作っている席へと足を進める。
「俺としてはさ。沙羅ちゃんがいい子なのを分かっていて、なんであんな可愛くて一途な子の告白を受けてやらないのかなぁ、とか最近は少し思うところもあってさ…………。だってさ、うちの学校じゃ小動物みたいに可愛い美少女で、お前には勿体ないくらい一途で、性格も良いじゃん?」
しばし迷いを見せた拓斗は、ひとまずは労うように「……ナイスな救出劇だったぜ」と声を抑え気味に言って、彼の後を追うように部室に入った。冷房機の電源を入れて、しっかりと扉を閉める。
「なぁ理樹、俺はとやかくいうつもりはなかったんだが……一緒にある程度過ごして、お前も彼女が良い子だってことは分かってるだろ?」
先程から無言を貫いている親友の背中に向かって、拓斗はそう声をかけた。
理樹は足を止めず、中央にある、四つの勉強机が一つの大きなテーブルを作っている席へと足を進める。
「俺としてはさ。沙羅ちゃんがいい子なのを分かっていて、なんであんな可愛くて一途な子の告白を受けてやらないのかなぁ、とか最近は少し思うところもあってさ…………。だってさ、うちの学校じゃ小動物みたいに可愛い美少女で、お前には勿体ないくらい一途で、性格も良いじゃん?」