「え。お前、あんな小動物系美少女といつ知り会ったんだ?」
周りの生徒たちがその美少女に好感度百%という目を向け、友人が戸惑いを隠せない隣で、理樹だけが真顔だった。もともと無愛想であるため、余計に人が話しかけづらい雰囲気を放っている。
その正面に、少女が立った。彼女が緊張した様子ですぅっと小さく息を吸い込み、蕾のように愛らしい唇をきゅっとしたかと思うと、唐突にこう切り出した。
「私、桜羽(さくらば)沙羅(さら)と言います! あなたに一目惚れしましたッ、私と付き合って下さい!」
勢いよくそう叫んだ少女は、キレイに九十度の角度に頭を下げて、こちらに右手を差し出してきた。
行動だけみれば、なんとも漢らしいものである。外見の儚げな美貌からは想像がつかない突然のイベントのような告白タイムに、その場にいた生徒たちが、先の展開を待ってゴクリと唾を呑んだ。
これ、普通は男女逆の感じで行われるやつじゃね?
そんな困惑漂う空気の中、拓斗が、告白を受けた親友の理樹と、右手を差し出したまま告白の返答を待つ小動物系美少女へ交互に視線を向けた。
「え、どういうこと? というか一目惚れ? 俺と同じくモテない組で、中学の女子にさんざんな扱われようだった理樹に?」
その時、この場に居た全員の注目の中心で、理樹が眉一つ動かさずこう答えた。
「無理。断る!」
理樹は、その小動物系美少女の告白を二言で切り捨てると、半ば放心状態の拓斗の腕を掴み、大股歩きでその場から離れた。
周りの生徒たちがその美少女に好感度百%という目を向け、友人が戸惑いを隠せない隣で、理樹だけが真顔だった。もともと無愛想であるため、余計に人が話しかけづらい雰囲気を放っている。
その正面に、少女が立った。彼女が緊張した様子ですぅっと小さく息を吸い込み、蕾のように愛らしい唇をきゅっとしたかと思うと、唐突にこう切り出した。
「私、桜羽(さくらば)沙羅(さら)と言います! あなたに一目惚れしましたッ、私と付き合って下さい!」
勢いよくそう叫んだ少女は、キレイに九十度の角度に頭を下げて、こちらに右手を差し出してきた。
行動だけみれば、なんとも漢らしいものである。外見の儚げな美貌からは想像がつかない突然のイベントのような告白タイムに、その場にいた生徒たちが、先の展開を待ってゴクリと唾を呑んだ。
これ、普通は男女逆の感じで行われるやつじゃね?
そんな困惑漂う空気の中、拓斗が、告白を受けた親友の理樹と、右手を差し出したまま告白の返答を待つ小動物系美少女へ交互に視線を向けた。
「え、どういうこと? というか一目惚れ? 俺と同じくモテない組で、中学の女子にさんざんな扱われようだった理樹に?」
その時、この場に居た全員の注目の中心で、理樹が眉一つ動かさずこう答えた。
「無理。断る!」
理樹は、その小動物系美少女の告白を二言で切り捨てると、半ば放心状態の拓斗の腕を掴み、大股歩きでその場から離れた。