足はとても遅いです、と沙羅は口の中に不安をこぼした。周りの女子生徒たちが、宮應を非難するように眉を顰めてざわめいた。どう考えても生徒会長のほうに有利であることは、朝の一件を見ていた面々には容易に想像がついたのだ。
すると、生徒会長である宮應静が、そんな反応は予想済みだったとでも言うように「説明は最後まで聞くものよ」と後輩たちを嗜めるように言って、鬱陶しそうに彼らを見渡した。
「勝負はフェアでいくわ。私は学力も体力においても敵無しだから、三学年の中で運動が苦手な子を代役に立てる。勝負種目は五十メートル競走よ」
彼女は自身について、包み隠さずキッパリとそう言った。その言葉から、どれほど己の文武両道に自信を持ち、そして同時に誇りを持っているのかが窺えた。
「私が見たいのはね、桜羽沙羅さんの『本気』よ。さっきも言ったけれど、私は恋愛感だとかそういったものが分からない。苦手だからといってやりたくないという程度のことなのなら、あなたの想いはそこまで、としか見ることが出来ないのよ」
すると、生徒会長である宮應静が、そんな反応は予想済みだったとでも言うように「説明は最後まで聞くものよ」と後輩たちを嗜めるように言って、鬱陶しそうに彼らを見渡した。
「勝負はフェアでいくわ。私は学力も体力においても敵無しだから、三学年の中で運動が苦手な子を代役に立てる。勝負種目は五十メートル競走よ」
彼女は自身について、包み隠さずキッパリとそう言った。その言葉から、どれほど己の文武両道に自信を持ち、そして同時に誇りを持っているのかが窺えた。
「私が見たいのはね、桜羽沙羅さんの『本気』よ。さっきも言ったけれど、私は恋愛感だとかそういったものが分からない。苦手だからといってやりたくないという程度のことなのなら、あなたの想いはそこまで、としか見ることが出来ないのよ」