突拍子もない提案すぎて、思わず呆気に取られた。
 返答を待つように仁王立ちポーズを取った彼女の後ろに見えるクラスメイトたちが、身振り手振りジェスチャーで『まずいぞ』と伝えてくる。

 理樹は「ああ、これは失礼しました」と、一旦前世の頃のようにスマートに謝った。しかしいくらなんでも無理なものは無理だな、という結論に変わりはない。提案を持って来たにしては相手の態度も随分上から目線であったので、こちらも隠すことなく顰め面で返すことにした。

「興味ないですね。というか、ちょっと手助けしただけですし、それで生徒会の話を持って来られても困ります」

 たったあれだけの出来事で生徒会へ誘うというのも、どうかと思うのだが。

 考えながら、理樹は更に顔を顰めてみせた。そちらについては一歩も譲らん、とばかりに上級生に対する礼儀もなく顎を引き上げる彼を見て、そばにいる拓斗が「おいおい、このまま喧嘩でもする気か? さすがのお前も負けるんじゃね?」と小さな声で言った。