「遊べるような部活ねぇ……。活動内容は決めたのか?」
「まだだ」

 キッパリと答えた拓斗に、理樹は眼差しを向けたまま沈黙で応えた。
 申請の段階で却下されそうだけどな……そう思いながら、何度か歩いた高校までの通学路を進んだ。

 学校に近づくにしたがって、同じ制服の学生たちの姿も増え始めた。チェック柄が入ったスカートと、男子のものとは違って身体のラインが分かる丈の短いブレザーに、胸元のふんわりとしたリボンが可愛らしい女子生徒たちの姿も多くある。

 のんびりとそれを眺めていた拓斗が、「ふうん」と呟いた。

「やっぱ、中学の制服よりスカートの丈は短いのな。なんか、男子の制服よりデザインが凝ってる感じじゃね?」
「さぁな。俺は特に興味がない。中学よりネクタイがしっかりしているのが、結びやすくていい」
「お前の制服に対する着眼点って、ちょっとずれてる気がするなぁ」

 時々おっさん臭いこと言うよな、という目を拓斗がこちらに向けてくる。