「しかもなんだ、クッキーイベントって?」
「親友よ、家庭科の調理実習と言えば、女子が気になる男子に作ったものをあげるというイベントが発生するってのは定番だ」
「拓斗。お前、漫画の読みすぎなんじゃないか?」
理樹は、推理するポーズで顎に指を添える拓斗に半眼を向けた。
その様子を見ていた男子生徒の一人が、「いや本当なんだって九条」と言った。
「そういう手作りイベントは実在する!」
「昼休み前っていう絶妙なタイミングの実習授業だからな」
「一組は全員、桜羽さんの恋を応援しているらしいから、もしかしたら応援者付きで来るかもしれないぞ」
「ウチのクラスの女子が、桜羽さんにアドバイスするっつってたから、絶対こっちに来ると思うぜ?」
またウチのクラスの女子かよ。
面倒だと答える代わりに、理樹はガリガリと頭をかいて椅子に座り直した。中学時代にそのようなイベントは見たことはないし、調理実習で作ったものをその場で食べきらず、わざわざ教室まで持ってくるというのもイメージがない。
「親友よ、家庭科の調理実習と言えば、女子が気になる男子に作ったものをあげるというイベントが発生するってのは定番だ」
「拓斗。お前、漫画の読みすぎなんじゃないか?」
理樹は、推理するポーズで顎に指を添える拓斗に半眼を向けた。
その様子を見ていた男子生徒の一人が、「いや本当なんだって九条」と言った。
「そういう手作りイベントは実在する!」
「昼休み前っていう絶妙なタイミングの実習授業だからな」
「一組は全員、桜羽さんの恋を応援しているらしいから、もしかしたら応援者付きで来るかもしれないぞ」
「ウチのクラスの女子が、桜羽さんにアドバイスするっつってたから、絶対こっちに来ると思うぜ?」
またウチのクラスの女子かよ。
面倒だと答える代わりに、理樹はガリガリと頭をかいて椅子に座り直した。中学時代にそのようなイベントは見たことはないし、調理実習で作ったものをその場で食べきらず、わざわざ教室まで持ってくるというのもイメージがない。