その後、再び小説を書き始め、最近はすごく充実感がある。小説を書くことを楽しめているからだ。そして、もう1度彼女に会いたいと思うようになった。僕は定期的に彼女と会ったオーロラの場所に行き、彼女を待っている。今日も僕は待ち、もう諦めて帰ろうとしていた。しかし、ずっと探していた彼女の姿が見えた。彼女の姿はあの頃から何も変わっていない。僕は走って追いかけた。この機会を逃したらダメと思い、足がつりそうになりながらも走った。
「浅倉さん」
 僕は周りの目を気にせずに大きな声で彼女の名前を呼んだ。すると彼女は歩くのを止めてこちらを振り返った。
「勇人…くん?」
「やっと会えた。ずっと君を探していたんだ。僕はやっぱり君がいないとだめだ」
「どうして…」
「君がいてくれたから僕は変われたんだ。」
「そんなことないよ。勇人くんに私は必要ない。これから小説家になって幸せになって欲しいの」
「僕は浅倉さんにそばに居て欲しいんだ」
「私は人間じゃないんだよ? 絶対幸せになることなんてできないよ」
「そんなことないよ。そもそも幸せは人によって違うし、人間とかAIとか関係ない。僕は浅倉さんと一緒にいることが1番の幸せなんだ。周りから何をいわれようとね。」
「でも私は見た目も変わらない、急に壊れるかもしれないロボットだよ。もっといい人が他にいるよ」
 彼女は寂しそな表情をするが瞳からは涙が一切出てきていない。
「それでもいいよ。これが僕たちの幸せの形だよ。君が辛いことがあった時はずっとそばで支えたいんだ。」
「...ありがとう。私もずっと勇人くんのことを気にかけていた。勇人くんの書いた小説すごく感動した。その後、小説が更新されなくなって心配になってコメントもした。でも更新された時はすごく嬉しくて何回も読んだ。仕事もそのおかげで頑張れたよ。」
 彼女はそういうと僕に抱きついてきた。彼女を抱きしめると少し体は硬く感じたが気持ちはすごく幸せだった。
「浅倉さん僕と一緒にいてほしい」
「うん、私も一緒にいたい」