「どういうとこ? おいしいとこ」


「……説明不親切ってよく言われない?」


「だって今ちんたら説明してたら本当に溶けちゃうじゃん、アイス」


 ぐるぐるはまだちょっと収まらない。それを悟られたくなくて、わたしはアイスにかじりつく。あとふた口でたぶん食べ終わる。


「おれ、さっき願い事したんだ。星に願いをってやつ」


「……へ?」


 言われた言葉があまりにも突拍子なくて、アイスをかじる手を止めて、わたしは思わず問い返した。


「なんだよ、今日は一応なんちゃら流星群を見るための会だったろー」


「あー、そうだったっけ……?」


 天体観測とは聞いていたけれど、実際に流星が来るとかいう理由があったことは知らなかった。そう言うと「星野、ほんとロマンない」と陽太は小さく笑った。


「流星群ってことは大量に星が流れるわけだろ。だったら、数打てば当たるかなと思って。だからめっちゃ祈ってた。こっそり。実は」


「そんなに必死になって叶えたいことあるんだ。意外」


「あるよ。だからさっき」


――王様にもなれたし、当たりも引けた。人生で初めて。