♢♢♢♢♢
母親、晶子の連絡を受けて、父、清孝が慌てて帰って来た。
『花紋が消えたって本当か?』
『ええ。そうなのよ。』
『どうして?どうして消えたんだ。』
『それが翔君も、わからないって。花姫会に連絡しても、わからないから、花姫を診れる専門の資格がある医師の診察を受けて。って言うばかりで…。
それに花姫専門医なんて知らないから、紹介してって言ったら、あの神蛇っていう先生を紹介するのよ。花姫専門医の中で、経験も信頼もある医者だって言うのよ。
あんな忍葉を花姫だなんて言うヤブ医者信用できないわ。』
『いつまでお前はそんなことを言っているんだ。忍葉には、もう花王子だっているんだぞ。花王子家が、忍葉が花姫なのは間違いないって言っているんだぞ‼︎』
『そんなこと言っても、花紋はまだ、現れていないそうじゃない。』
『だからって、祈祷の時、倒れた原因は、いつもの体調不良じゃないって、道忠さんの話しで、お前もわかっただろう。本当にお前は、馬鹿なことをしやがって。』
『…だって忍葉を、
『明日、は日曜か…。明後日になったら、神蛇先生のところへ美咲を連れて行ってやれ。』
『でも、あんな医者…。
『花紋が戻らなかったらどうするんだ‼︎』
その言葉を聞いて渋々、晶子は頷いた。
『そうよね。今は、花紋が元に戻る方が大事ね。』
『それで翔君は何て?』
『もう会う気はないし、千虎家の決定も覆らないって。』
『もう諦めた方がいいかもな。花紋だって消えたんだ。戻らないかもしれないし…。』
『そんな‼︎美咲と美月は双子の花姫なのよ。そうじゃなくなるわけ無いわ。そんなはず…。』
『美咲はどうしているんだ?』
『翔君が帰ってからずっと部屋に閉じこもっているわよ。今日は、朝から出かけてたし…、そう言えば、何処へ行ってたのかしら。美咲。』
『貴方も、こんな時に朝から居なくて、今日は、仕事休みでしょ。家に居て貰わないと困ります。』
『急な呼び出しがあったって朝、言っただろう。客相手の仕事なんだから仕方ないだろ。
明日も、接待でゴルフだから、美咲のこと見張ってろよ。お前ももう、美月たちに構うなよ。』
そう言うと、
『風呂に入って来る。』
と言って、リビングを出て行った。
清孝が風呂場へ行くと風呂の用意はできていなかった。
風呂の湯を張りながら、体を洗う。
全く晶子のやつ。家事をしないんだから。
忍葉が居なくなってから、家が少しずつ荒れていってるし、ご飯は出来合いものばかりだし…。
本当は、呼び出しなんかなかったけど、機嫌の悪い晶子と一緒にいて、とばっちりを受けたくない清孝は、朝からスーツを着て、時々、行く将棋クラブに朝から出かけて時間を潰していた。
明日は、丁度、ゴルフの誘いを受けたから行くことにした。
忍葉に戻って来て貰うのが一番、いいんだけどな。晶子がいまだに目の敵にしてるからな。なんとか気が変わらないものかと考えながら、体を流した。
まだ、溜まりかけの風呂に浸かりながら、溜息を吐く。
美咲はもう駄目だな。馬鹿なことをしてくれたもんだ。まさか、あれが全部、自作自演だなんて騙されるよな。翔様も気の毒だよな。
手切金も、あの二人があのままだと貰えなくなりそうだし、大人しくして貰わないと、
明日の朝、もう一度、釘を刺しておかないとな。
でも、やっぱり一番は、忍葉が家に戻って来ることなんだけどな。
晶子さえ、改心すれば、絶対、戻ってくるはずなんだけどな。どうにかならないか、清孝は色々、知恵を絞って見るが、いい案は思い浮かばない。
せっかくのでかい船なのに、みすみす手放すなんて勿体ねぇなぁ。
そんなことを考えながら、風呂の湯を両手ですくって顔を洗うと風呂から上がった。
母親、晶子の連絡を受けて、父、清孝が慌てて帰って来た。
『花紋が消えたって本当か?』
『ええ。そうなのよ。』
『どうして?どうして消えたんだ。』
『それが翔君も、わからないって。花姫会に連絡しても、わからないから、花姫を診れる専門の資格がある医師の診察を受けて。って言うばかりで…。
それに花姫専門医なんて知らないから、紹介してって言ったら、あの神蛇っていう先生を紹介するのよ。花姫専門医の中で、経験も信頼もある医者だって言うのよ。
あんな忍葉を花姫だなんて言うヤブ医者信用できないわ。』
『いつまでお前はそんなことを言っているんだ。忍葉には、もう花王子だっているんだぞ。花王子家が、忍葉が花姫なのは間違いないって言っているんだぞ‼︎』
『そんなこと言っても、花紋はまだ、現れていないそうじゃない。』
『だからって、祈祷の時、倒れた原因は、いつもの体調不良じゃないって、道忠さんの話しで、お前もわかっただろう。本当にお前は、馬鹿なことをしやがって。』
『…だって忍葉を、
『明日、は日曜か…。明後日になったら、神蛇先生のところへ美咲を連れて行ってやれ。』
『でも、あんな医者…。
『花紋が戻らなかったらどうするんだ‼︎』
その言葉を聞いて渋々、晶子は頷いた。
『そうよね。今は、花紋が元に戻る方が大事ね。』
『それで翔君は何て?』
『もう会う気はないし、千虎家の決定も覆らないって。』
『もう諦めた方がいいかもな。花紋だって消えたんだ。戻らないかもしれないし…。』
『そんな‼︎美咲と美月は双子の花姫なのよ。そうじゃなくなるわけ無いわ。そんなはず…。』
『美咲はどうしているんだ?』
『翔君が帰ってからずっと部屋に閉じこもっているわよ。今日は、朝から出かけてたし…、そう言えば、何処へ行ってたのかしら。美咲。』
『貴方も、こんな時に朝から居なくて、今日は、仕事休みでしょ。家に居て貰わないと困ります。』
『急な呼び出しがあったって朝、言っただろう。客相手の仕事なんだから仕方ないだろ。
明日も、接待でゴルフだから、美咲のこと見張ってろよ。お前ももう、美月たちに構うなよ。』
そう言うと、
『風呂に入って来る。』
と言って、リビングを出て行った。
清孝が風呂場へ行くと風呂の用意はできていなかった。
風呂の湯を張りながら、体を洗う。
全く晶子のやつ。家事をしないんだから。
忍葉が居なくなってから、家が少しずつ荒れていってるし、ご飯は出来合いものばかりだし…。
本当は、呼び出しなんかなかったけど、機嫌の悪い晶子と一緒にいて、とばっちりを受けたくない清孝は、朝からスーツを着て、時々、行く将棋クラブに朝から出かけて時間を潰していた。
明日は、丁度、ゴルフの誘いを受けたから行くことにした。
忍葉に戻って来て貰うのが一番、いいんだけどな。晶子がいまだに目の敵にしてるからな。なんとか気が変わらないものかと考えながら、体を流した。
まだ、溜まりかけの風呂に浸かりながら、溜息を吐く。
美咲はもう駄目だな。馬鹿なことをしてくれたもんだ。まさか、あれが全部、自作自演だなんて騙されるよな。翔様も気の毒だよな。
手切金も、あの二人があのままだと貰えなくなりそうだし、大人しくして貰わないと、
明日の朝、もう一度、釘を刺しておかないとな。
でも、やっぱり一番は、忍葉が家に戻って来ることなんだけどな。
晶子さえ、改心すれば、絶対、戻ってくるはずなんだけどな。どうにかならないか、清孝は色々、知恵を絞って見るが、いい案は思い浮かばない。
せっかくのでかい船なのに、みすみす手放すなんて勿体ねぇなぁ。
そんなことを考えながら、風呂の湯を両手ですくって顔を洗うと風呂から上がった。