『話は終わりだ。寝起きにこんな話しをしてすまないが…、』

ヒャッ、私、そう言えば寝起きだった…アレ…?

『どうして私、寝ちゃってたの?』

『なんだ。覚えてないのか?忍葉は、泣き疲れて眠ったんだ。』

『えっ‼︎そんな…子どもみたいな…ごめんなさい…えっ、どうしよう…』

『そんなに気にすることは、ないだろう。色々、あったんだ。泣くことぐらいある。
それに、もう我慢して頑張らなくていい。』

『あっ、美咲のしたことを話したら、これから先どうなるか、恐くて…ずっと言わないでいた。我慢してたんだ…私…』

『これからは、話したいことは話せばいい。怒っても泣いてもいい。』

……そんなことをしててホントにいいの?

『忍葉。』

名前を呼ばれて振り向くと、
紫紺様が頭を撫でながら、

『昼には、忍葉の祖父母と三枝夫妻が来るし、その後、神蛇と退院の話しをするつもりだ。

さっき言ったみたいに寮以外に忍葉には、住んで貰いたい。
とりあえず、退院後の行き場を決めて貰わないと、退院させられない。』

『…そうだよね。』

『美月も藍蓮も昼に来るそうだ。病院だから、騒ぐなよ。と神蛇に言われたが、久しぶりの再会だ。気楽に楽しんだらいい。』

『…うん。お祖父ちゃん、お祖母ちゃんと会うのは楽しみ。』

『そうか…。じゃあ、髪をなんとかしないとな。』

『えっ‼︎髪?…櫻葉さんに結って貰ったよ…あっ、寝たから…』

焦る私を楽しそうに見ていた紫紺様が、頭をポンポンと優しく叩いて、
『櫻葉を呼んで来る。一人で大丈夫か?』
と聞いた。

『大丈夫。』

そう答えると紫紺様も病室を出て行った。

そう言えば入院してから、殆ど一人にならなかった。なんか急激に甘やかされているなと思った。