♢♢♢♢♢
すぐに、櫻葉さんの代わりに、龍咲さんが警官たちと一緒に来た。
美月が私を見るとすぐ、駆け寄って来て、
『お姉ちゃん、おはよう。』
と言った。
『藍蓮様は?』
『待合室みたいな所で待ってる。道忠さんと一緒に。』
『そう。ごめんね。迷惑掛けて。』
『迷惑を掛けているのは、美咲で、お姉ちゃんじゃないよ。』
『……そうだ…ね。』
本当に、美月の言う通りだと気がついた。
一方的に何かをされて、それを全て私のせいにされるのが当たり前だったから、
そこで、上手く対処できない私が悪いのだと思っていた。
そう思うしかなかっただけで、そうじゃなかったんだ…って。
思い込んでる色々なことを改めて考え直していかないといけないんだ…と思った。
♢♢♢♢♢
警察官の一人が、
『騒ぎの部分だけじゃなく、昨日の出来事を、出来るだけ時間を追って話してくれるかな。』
と言った。
『昨日の朝からですか?』
『昨日、翔君を招いて夕食を家族で食べる予定だったよね。そこに向かっていく過程を順を追って話したら良いよ。
あと、気になることもあったら話して。』
と神蛇先生が助言をしてくれた。
『それでいいかい?』
と警察官に聞いた。
『ええ。そんな感じで、お願いします。』
紫紺様が手を握ってくれた。
私は、言われた通り、時間を追って話し始めた。
美咲がかなり不器用みたいで、スープとグラタンは作りたいと言ったけど、
野菜の皮を剥き始めたら、ピーラーで、指の皮まで剥いてしまって、野菜を切り始めたら、指まで切ってしまったから、盛り付けやサラダ作りをして貰った。
ホワイトソースを作ってかき混ぜるのくらいはやると言ったけど、それも、すぐ、ホワイトソースを飛ばして火傷をしてしまったと話すと、
美月が、
『そんなはずない。あの子は、家で、手伝いなんかしたことないけど、器用で要領がいいんだよ。
小学校のキャンプでカレー作ったとき、上手に、野菜の皮を剥いて、野菜切って、先生に家でお手伝いしてるのね。偉いわね。美咲さんって褒められてたよ。』
『美咲が全然、手伝いしてないの知ってるから、ムカついたからよく覚えてる。』
『じゃあ、やりたくなくでワザと怪我してたの?』
『それはわからない。』
『ひとまず、それは置いて、続きを、お願いします。』
そう警察官に促され、また、続きを話し始めた。
全部話し終えても、昨日のように、取り乱したりはしなかったけど、
美月は、複雑な表情を浮かべていた。
一通り話し終えると、
警察官は、
お母さんと美咲は、料理の準備を始めた時から、ずっと居たの?
お父さんはどの準備をしている頃、帰って来たの?
美咲と私が着替えに部屋に行った時は、どの時?
着替えた洋服は、美咲にいつ渡されたの?
とかなり細かい質問をいくつもした。
美咲が部屋に来て悲鳴をあげてからのことは、
美咲が着ていた服と美咲がプレゼントしたと言っている服を見たのは昨日が初めてであってる?
美咲がプレゼントしたと言っている服を貰っていないんだね。
着るように言われた服は、柘榴様が贈った物なんだね。
美咲、母親の順に、戻ってきて、火傷に気づいていたんだね。
と一つ、一つ確認された。
ハサミは、美咲の裁ち鋏で、私は、触ったことがない。
と言うと、理由を聞かれ、
美咲は、私に、触るとアザがうつるといつも言っていたから、美咲のものを触らないように、いつも気をつけていたことや、
美咲の部屋にも、引っ越してから入ったことがなくて、美咲に呼ばれて昨日、初めて入ったことなどを話した。
美月も、日常の美咲の私の見た目やアザに対する態度を、警察官に聞かれて話したので、
話している時も、辛かったけど、聞いていてかなり堪えた。
警官の質問も終わると、
『昨日の夜、忍葉さんに掴みかかられて破れた服や切られた服、ハサミを預かって、指紋を調べて結果が出ています。
服は両方、三女の美咲と母親やその他の指紋しか出ませんでしたし、
袖を破る時にしっかり握っただろうなって場所には、美咲の指紋しか無かったですね。
鋏も、美咲の指紋だけでした。
話を聞いて辻褄が合いましたね。
美咲の自作自演で決まりですね。
心配ないですよ。』
と言った。
美咲と私以外誰も見ていないから、
例え、私の言っていることを信じて貰えても、どちらが本当のことを言っているかは、誰にもわかりようがないと思っていたから、
その言葉を聞いて力が抜けた。
指紋まで調べているなんて思いもしなかった。
警察官が帰って行くと、神蛇先生が、
『これから今後の相談をするんだろ。
早めに対応した方がいいから仕方ないが、
疲れただろうから、早めに切り上げるんだよ。紫紺君。』
『ああ。そのつもりだ。』
『美月君も疲れたろう。藍蓮君のところまで一緒に行くかい?』
『うん。そうする。』
『ああ、頼んだ。』
『じゃ、僕は、これで失礼するよ。』
『またね。お姉ちゃん、紫紺様。』
と言って2人は、出て行った。
龍咲さんが、紫紺様と私にお茶を淹れてくれた。
その後、
『私は、花姫会に連絡を入れて来ますね。』
と病室を出て行った。
すぐに、櫻葉さんの代わりに、龍咲さんが警官たちと一緒に来た。
美月が私を見るとすぐ、駆け寄って来て、
『お姉ちゃん、おはよう。』
と言った。
『藍蓮様は?』
『待合室みたいな所で待ってる。道忠さんと一緒に。』
『そう。ごめんね。迷惑掛けて。』
『迷惑を掛けているのは、美咲で、お姉ちゃんじゃないよ。』
『……そうだ…ね。』
本当に、美月の言う通りだと気がついた。
一方的に何かをされて、それを全て私のせいにされるのが当たり前だったから、
そこで、上手く対処できない私が悪いのだと思っていた。
そう思うしかなかっただけで、そうじゃなかったんだ…って。
思い込んでる色々なことを改めて考え直していかないといけないんだ…と思った。
♢♢♢♢♢
警察官の一人が、
『騒ぎの部分だけじゃなく、昨日の出来事を、出来るだけ時間を追って話してくれるかな。』
と言った。
『昨日の朝からですか?』
『昨日、翔君を招いて夕食を家族で食べる予定だったよね。そこに向かっていく過程を順を追って話したら良いよ。
あと、気になることもあったら話して。』
と神蛇先生が助言をしてくれた。
『それでいいかい?』
と警察官に聞いた。
『ええ。そんな感じで、お願いします。』
紫紺様が手を握ってくれた。
私は、言われた通り、時間を追って話し始めた。
美咲がかなり不器用みたいで、スープとグラタンは作りたいと言ったけど、
野菜の皮を剥き始めたら、ピーラーで、指の皮まで剥いてしまって、野菜を切り始めたら、指まで切ってしまったから、盛り付けやサラダ作りをして貰った。
ホワイトソースを作ってかき混ぜるのくらいはやると言ったけど、それも、すぐ、ホワイトソースを飛ばして火傷をしてしまったと話すと、
美月が、
『そんなはずない。あの子は、家で、手伝いなんかしたことないけど、器用で要領がいいんだよ。
小学校のキャンプでカレー作ったとき、上手に、野菜の皮を剥いて、野菜切って、先生に家でお手伝いしてるのね。偉いわね。美咲さんって褒められてたよ。』
『美咲が全然、手伝いしてないの知ってるから、ムカついたからよく覚えてる。』
『じゃあ、やりたくなくでワザと怪我してたの?』
『それはわからない。』
『ひとまず、それは置いて、続きを、お願いします。』
そう警察官に促され、また、続きを話し始めた。
全部話し終えても、昨日のように、取り乱したりはしなかったけど、
美月は、複雑な表情を浮かべていた。
一通り話し終えると、
警察官は、
お母さんと美咲は、料理の準備を始めた時から、ずっと居たの?
お父さんはどの準備をしている頃、帰って来たの?
美咲と私が着替えに部屋に行った時は、どの時?
着替えた洋服は、美咲にいつ渡されたの?
とかなり細かい質問をいくつもした。
美咲が部屋に来て悲鳴をあげてからのことは、
美咲が着ていた服と美咲がプレゼントしたと言っている服を見たのは昨日が初めてであってる?
美咲がプレゼントしたと言っている服を貰っていないんだね。
着るように言われた服は、柘榴様が贈った物なんだね。
美咲、母親の順に、戻ってきて、火傷に気づいていたんだね。
と一つ、一つ確認された。
ハサミは、美咲の裁ち鋏で、私は、触ったことがない。
と言うと、理由を聞かれ、
美咲は、私に、触るとアザがうつるといつも言っていたから、美咲のものを触らないように、いつも気をつけていたことや、
美咲の部屋にも、引っ越してから入ったことがなくて、美咲に呼ばれて昨日、初めて入ったことなどを話した。
美月も、日常の美咲の私の見た目やアザに対する態度を、警察官に聞かれて話したので、
話している時も、辛かったけど、聞いていてかなり堪えた。
警官の質問も終わると、
『昨日の夜、忍葉さんに掴みかかられて破れた服や切られた服、ハサミを預かって、指紋を調べて結果が出ています。
服は両方、三女の美咲と母親やその他の指紋しか出ませんでしたし、
袖を破る時にしっかり握っただろうなって場所には、美咲の指紋しか無かったですね。
鋏も、美咲の指紋だけでした。
話を聞いて辻褄が合いましたね。
美咲の自作自演で決まりですね。
心配ないですよ。』
と言った。
美咲と私以外誰も見ていないから、
例え、私の言っていることを信じて貰えても、どちらが本当のことを言っているかは、誰にもわかりようがないと思っていたから、
その言葉を聞いて力が抜けた。
指紋まで調べているなんて思いもしなかった。
警察官が帰って行くと、神蛇先生が、
『これから今後の相談をするんだろ。
早めに対応した方がいいから仕方ないが、
疲れただろうから、早めに切り上げるんだよ。紫紺君。』
『ああ。そのつもりだ。』
『美月君も疲れたろう。藍蓮君のところまで一緒に行くかい?』
『うん。そうする。』
『ああ、頼んだ。』
『じゃ、僕は、これで失礼するよ。』
『またね。お姉ちゃん、紫紺様。』
と言って2人は、出て行った。
龍咲さんが、紫紺様と私にお茶を淹れてくれた。
その後、
『私は、花姫会に連絡を入れて来ますね。』
と病室を出て行った。