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美咲は、ベッドに横になりながら、明日を心待ちにしていた。

花姫会と警察が帰って、すぐ、翔に連絡したら、

『まだ、移動中の車の中で、話しが終わるのが、いつになるかわからない。

今日は、大変だったから、ゆっくり休んで欲しいから、電話はしない。

その変わり、明日の午前中には、必ず、迎えに来る。』
って言ってた。

花姫会とのお姉ちゃんの処分に関する話は、千虎家ですれば良いからって。
明日になったら、ずっと一緒だから、もう心配いらないって。

やっぱり思う通りになったわ。

花姫会の千景や龍咲は、最後まで、お姉ちゃんのことを、忍葉様って、様をつけて呼んでいた。
凄く気に入らなかったけど、それも、明日、迄のことよ。

花姫会の人たちは、頭が硬すぎるのよ。

千景たちが、帰る時に
お姉ちゃんがどうなるか?
を聞いた時も、
まだ、話を聞いていないから、わからないって言ってた。

お姉ちゃんなんか話を聞いたってすぐ、固まっちゃって話せなくなるし、

お母さん、お父さん、翔が、見てるんだもん。
お姉ちゃんが何言ったて、無駄でしょ。

翔が、お姉ちゃんのことを花姫にして置けないって強く言ったから、
花姫会だって、警察の人を呼んだし、

警察の人も、花姫会も、しっかり私の話しを聞いてくれたから、
お姉ちゃんは、花姫では、絶対、いられなくなると思う。
ホント良かった。

中央区管内に家族と住むことが、取りやめになった時は、なんで私が、お姉ちゃんのせいで、そんな目に遭わなきゃいけないのよ。
って思ったし、

あの後、お母さんに、
「いずれ忍葉が花姫じゃないとわかるから、今だけ我慢すればいいのよ。」
って言われた時は、ホントにイライラした。

今まで、お母さんに、我慢しろなんて、言われたことなかったのに。

なんで、親にも誰にも、相手にされない、欠陥品のお姉ちゃんのために、私が我慢をしなきゃいけないの。

いつも私を一番にしてきたお母さんが、なんでそんなことを言うのって、怒りでイライラが止まらなかったけど、

あの夜、電話で、翔が、真剣に、一緒に居たいって言うのを聞いて、沢山、慰めて貰ったら、
私は、やっぱり大事にされるべき人間だってわかって、なんだかモヤが晴れて気持ちが少しスッキリした。

そしたら、花姫を、傷つけるようなことをすれば、花姫としての立場はなくなるって、
千景が言ってたのを思い出した。

お姉ちゃんが、花姫だって、花姫会が言うなら、花姫の立場を無くしたらいいんだって気づいた。

花紋があって、私のことをあんなに大事にする翔がいる私と、

花紋も出ない誰も味方になってくれないお姉ちゃんじゃ、比べるまでもない。

私の話を聞いて、お姉ちゃんの話なんか誰も聞かないに決まってる。
今迄だってずっとそうだった。

ずっと、どんなに意地悪をしても、平気そうにヘラヘラしてるお姉ちゃんが気に入らなかった。

今日も、泣いて謝ったら、翔に火傷を治してくれるよう頼んであげるって、せっかく言ってあげたのに、いいって言って。

底辺の癖に生意気でムカつく。

だから、始めから持って生まれた私と、
欠陥品で生まれたお姉ちゃんの立場の違いをハッキリわからせて、屈服させたかった。

明日になったら、お姉ちゃんは、神獣人や花姫会から、花姫だと認められなくなる。

今度こそ、お姉ちゃんも、打ちのめされるに
決まってる。

あ〜、楽しみ。

美咲は、眠る前に、自分の番の花紋を見た。

最近、日に日に、杏の花びらのピンクが、濃くなっているのよね。

花紋が現れた頃の色より、ずっと、私らしくっていいなと思った。