♢♢♢♢♢
千虎家からの美咲への申し入れがあってから一夜明けた。
藍蓮様や道忠さんが言うような危険なことは、何も無かった。
藍蓮様から、話を聞いていたけど、正直、藍蓮様が言ったことが本当に起きると思っていなかった。
誰もどうすることもできなくて、今まで、
お母さんと、美咲は、いつも家の中で、君臨していて、
あの美咲に誰かが、真っ向から苦言を言い、行いを正すよう言って、お母さんや美咲たちが、どうすることもできないことが、起きるなんて思いもしなかったから。
朝食をお母さん、お父さん、美月と食べているとやっと美咲もリビングにやってきた。
また、捲し立てられると覚悟していたら、
美咲は、静かに席に座った。
幸せそうだったオーラは全くなくなって、俯いて座る美咲の姿に、美月も、お父さんも、私も、自然と釘付けになった。
美咲は、意を決したように顔を上げると、
『私、千虎家に入って花姫の教育を受ける。
翔と離れるなんて考えられない。
今までのお姉ちゃんへの態度を改める。
美月に対しても。
姉妹でも、花姫として礼のある態度をとるから。お父さんとお母さん、私が、千虎家に入るって伝えて。』
あまりの美咲の変身ぶりに呆気にとられていたお父さんに、
『ホラ。貴方。』
とお母さんが声をかけた。
『あ、ああ。ちゃんと理解できたようだな。
晶子、花姫会に連絡してやれ。』
『ええ。連絡しますよ。美咲は、素直な子ですからきっとすぐわかると思ってたのよ。良かったわ。でも、まだ、朝、早いわね。9時になったら連絡するわ。それでいい、美咲。』
『うん。ありがとう。お母さん。』
『さあ、ご飯食べちゃいなさい。』
『はい。いただきます。』
と言って美咲はご飯を食べ始めた。
美咲の変化にお父さんは、うん。うん。頷いて満足そうだけど、
私と美月は、まだ事態が飲み込めなくて、半信半疑で、美咲を見ていた。
『美月も忍葉も、美咲ばかり見ていないで、早くご飯をを食べなさいね。』
お母さんの言葉に我に返って、パンを口に入れた。
『それから、美咲がせっかく、改める気になったんだから、協力してあげてね。姉妹でしょう。』
『えっ?』
と美月。
『えっ。じゃないでしょ。美月。』
『そうだぞ。美咲は、これから大変なんだ。協力くらいしてやれ。』
『あ、うん。それは別にいいよ。美咲がちゃんとするなら。』
『忍葉は?』
『あっ、うん…いいよ。』
♢♢♢♢♢
今、九十九學院に向かう車の中にいる。
約束の8時10分くらい前、
玄関には、龍咲さんが迎えに来ていて驚いた。道忠さんは、他の仕事の後、学校へ直接、来ると言っていた。
男の人と2人なのは、不安だったのでホッとした。
朝のことが、胸の中で、どうしようもなくモヤモヤしていたので、車の中で物思いに耽っていたら、
『忍葉様、何か気になることでもありますか?』
と龍咲さんが声を掛けてくれたので、私は、モヤモヤしていた胸の思いを、龍咲さんに色々、話すことができた。
美咲の変化は、大き過ぎて、驚いたし、どうしても本当だろうか?と疑ってしまう。
でも、美咲の言葉は、必死さみたいなものがあって真実味がまだ、感じられた。
お父さんとお母さんに違和感が凄くあった。
お父さんは、すぐ、美咲の言葉を鵜呑みにしてしまったし、いつものように、お母さんに同調してた。
美咲に協力するのはいい。本当に改心したなら、翔様の花姫でいたい美咲を応援する気持ちはある。
だけど、何事もなかったように、美咲に協力してね。と言うお母さんにも、そこに同調するお父さんにも、違和感しかなかった。
美咲が、あんな態度になったのは、お母さんが私にとってきた態度のせいだと思う。
それなのに、まるで自分は、何も関係ないようなお母さんの言葉や態度は、違和感を超えて、不気味だった。
そんなことをひとしきり話し、色々、気づいたことなども話していたら、あっという間に九十九學院に着いた。
千虎家からの美咲への申し入れがあってから一夜明けた。
藍蓮様や道忠さんが言うような危険なことは、何も無かった。
藍蓮様から、話を聞いていたけど、正直、藍蓮様が言ったことが本当に起きると思っていなかった。
誰もどうすることもできなくて、今まで、
お母さんと、美咲は、いつも家の中で、君臨していて、
あの美咲に誰かが、真っ向から苦言を言い、行いを正すよう言って、お母さんや美咲たちが、どうすることもできないことが、起きるなんて思いもしなかったから。
朝食をお母さん、お父さん、美月と食べているとやっと美咲もリビングにやってきた。
また、捲し立てられると覚悟していたら、
美咲は、静かに席に座った。
幸せそうだったオーラは全くなくなって、俯いて座る美咲の姿に、美月も、お父さんも、私も、自然と釘付けになった。
美咲は、意を決したように顔を上げると、
『私、千虎家に入って花姫の教育を受ける。
翔と離れるなんて考えられない。
今までのお姉ちゃんへの態度を改める。
美月に対しても。
姉妹でも、花姫として礼のある態度をとるから。お父さんとお母さん、私が、千虎家に入るって伝えて。』
あまりの美咲の変身ぶりに呆気にとられていたお父さんに、
『ホラ。貴方。』
とお母さんが声をかけた。
『あ、ああ。ちゃんと理解できたようだな。
晶子、花姫会に連絡してやれ。』
『ええ。連絡しますよ。美咲は、素直な子ですからきっとすぐわかると思ってたのよ。良かったわ。でも、まだ、朝、早いわね。9時になったら連絡するわ。それでいい、美咲。』
『うん。ありがとう。お母さん。』
『さあ、ご飯食べちゃいなさい。』
『はい。いただきます。』
と言って美咲はご飯を食べ始めた。
美咲の変化にお父さんは、うん。うん。頷いて満足そうだけど、
私と美月は、まだ事態が飲み込めなくて、半信半疑で、美咲を見ていた。
『美月も忍葉も、美咲ばかり見ていないで、早くご飯をを食べなさいね。』
お母さんの言葉に我に返って、パンを口に入れた。
『それから、美咲がせっかく、改める気になったんだから、協力してあげてね。姉妹でしょう。』
『えっ?』
と美月。
『えっ。じゃないでしょ。美月。』
『そうだぞ。美咲は、これから大変なんだ。協力くらいしてやれ。』
『あ、うん。それは別にいいよ。美咲がちゃんとするなら。』
『忍葉は?』
『あっ、うん…いいよ。』
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今、九十九學院に向かう車の中にいる。
約束の8時10分くらい前、
玄関には、龍咲さんが迎えに来ていて驚いた。道忠さんは、他の仕事の後、学校へ直接、来ると言っていた。
男の人と2人なのは、不安だったのでホッとした。
朝のことが、胸の中で、どうしようもなくモヤモヤしていたので、車の中で物思いに耽っていたら、
『忍葉様、何か気になることでもありますか?』
と龍咲さんが声を掛けてくれたので、私は、モヤモヤしていた胸の思いを、龍咲さんに色々、話すことができた。
美咲の変化は、大き過ぎて、驚いたし、どうしても本当だろうか?と疑ってしまう。
でも、美咲の言葉は、必死さみたいなものがあって真実味がまだ、感じられた。
お父さんとお母さんに違和感が凄くあった。
お父さんは、すぐ、美咲の言葉を鵜呑みにしてしまったし、いつものように、お母さんに同調してた。
美咲に協力するのはいい。本当に改心したなら、翔様の花姫でいたい美咲を応援する気持ちはある。
だけど、何事もなかったように、美咲に協力してね。と言うお母さんにも、そこに同調するお父さんにも、違和感しかなかった。
美咲が、あんな態度になったのは、お母さんが私にとってきた態度のせいだと思う。
それなのに、まるで自分は、何も関係ないようなお母さんの言葉や態度は、違和感を超えて、不気味だった。
そんなことをひとしきり話し、色々、気づいたことなども話していたら、あっという間に九十九學院に着いた。