♢♢♢♢♢
忍葉が、疲れて一人、病室のベッドで眠りについてから、数時間後、忍葉の家族たちも、
それぞれの場所で眠りにつこうとしていた。
♢♢♢♢♢
藍蓮様と一緒に、お母様の家に着いた美月は、すぐに、
『美月ちゃん。今日は、もう疲れただろうから、眠った方がいいよ。』
と、使用人に、寝室に案内された。
用意された寝室のベッドに横になった美月は、今日の一連の出来事を考えていた。
お姉ちゃん、藍蓮様と食事を済ませて戻ったら、ぐっすり眠っていた。
よっぽど、疲れたんだろうな…、それなのに、お母さんたち…酷すぎる。あんな、ピクリとも動かなくなったお姉ちゃんを見たのに、お母さんも美咲も、お姉ちゃんのこと全く心配してなかった。
お母さんは、どうせいつもの体調不良だって決めつけた。いつもの訳ないのに…、
美咲は、また、お姉ちゃんのせいで予定通りいかないって怒っているし…、何を考えているのよ‼︎お母さんも美咲も‼︎
はあ〜。家に帰りたくなくて、藍蓮様に言われるまま、柘榴様の家に行くって言って着いて来ちゃったけど、凄い豪邸だった。
今更だけど、怖気付いてきちゃった。
こんな家の花姫なんて私にできるのかな…
お姉ちゃんのことも心配だけど、今日、花姫だとわかって、私もどうしていいかわからないよ…。
でも、花姫になったことは良かった。
藍蓮様に会ったら、素直にそう思えた。
花紋が、出る前はこんな風に思うなんて想像できなかったけど…。
お姉ちゃんもそうなんだろうな、
寮に住むことしか考えてないみたいだったし…
お姉ちゃん、せっかく、花姫だったのに、
全くなる気がない…全くそうだと思ってすらいなかった。
私もそうだったけど…、
それでも、お姉ちゃんほどじやなかった…。なんであんなに、完全に、遮断するみたいに否定するんだろう…
お姉ちゃんにも、幸せになって欲しいのに…。
私も、これから先何処に住めばいいか、決められなくて何も言えなかった。
けど…
今は、藍蓮様が居る。
話しを聞いてくれる、受け入れてくれる。
お姉ちゃんの花紋、早く現れたらいいのに、そうすれば、私のようにきっと嘘みたいに気持ちが変わると思うんだけどな…、
花紋が現れる抵抗って、一体何だろう…。
明日の内覧、少し心配だな…。藍蓮様、何を考えているんだろう?本当に、お姉ちゃんを早く寮に入れるためだけなのかな…。
お姉ちゃんの気持ちが頑ななのはよくわかったし、
あの家族とお姉ちゃんをあんまり近づけたくないから、藍蓮様の言う通りにすることにはしたけど、お姉ちゃんが寮に住むのも私は、本当は、反対なんだけどな…。
お姉ちゃん、これから、家族と離れて一人きりで生きて行く気みたいだった。あのまま、
お姉ちゃんを寮に行かせたら、良くない気がする…。
だけど、親たちと住む気にはなれないけど、藍蓮様と住むのも考えられない今の私には、何も言えない。
やっぱりこれからどうするか私が決めないことには、何を考えてもここで、迷ってグルグル回るだけ…、
藍蓮様が、言ったように、候補を実際に見て考えた方がやっぱりいいんだろうな…
そこに考えが思い至ったら、急に、凄い睡魔を覚えた美月は、大きな欠伸をすると、そのまま眠りに着いた。
♢♢♢♢♢
もう何なの‼︎花姫会も、藍蓮様も、美月も、
あの病院の医者も‼︎忍葉、忍葉、って。
花紋も出てないのに花姫って、
上位の花王子の花姫である可能性もあるって、あるわけないでしょ‼︎
バカじゃないの‼︎
心理的抵抗があって花紋が出ないなんて、
見た目だけじゃない。心も欠陥品ってことじゃない。
あんなただの欠陥品を皆んなで大事にして、本当、ムカツク。
お母さんが忍葉が花姫じゃない。
ってハッキリ言ってた。
なんでだろう…?
まあ、いいや、お姉ちゃんが花姫なんてある訳ないんだから。
それより早く明日にならないかな…
内覧楽しみだなぁ。
早く引っ越したいな…ここからだと翔の家まで、遠いもの。
美咲は、そんなことを思いながら眠りについた。
♢♢♢♢♢
あー、しまったわ。
花紋が現れることに心理的な抵抗があると、花紋を強制的に出す祈祷中に、忍葉みたいに倒れることがあるなんて…
誤解されてしまったわ。
忍葉が、花姫なわけ無いのに。
いつもの具合いが悪いこととは、違うって、
あの医者、譲らなかったわ。
違うわけないわよ。
ちゃんと忍葉は、お茶を飲んでいたし、意識を取り戻した時、吐いてたんだから。
花紋なんか出るわけないから、心配はないけど、色々、厄介なことになったわ…
でも、美月が花姫に、ちゃんとなれて良かったわ。
花姫なのは、わかっていたんだから。
私の子だもの。
それも花木姫だったなんて、想像以上だったわ。
双子の花姫の母親。
やっぱりそれが本来の私のあるべき姿なのよ。
あんなのが生まれたせいで、苦しめられたわ。それも、もうすぐ終わりね。ふふっ。
明日は、中央区管内の家の内覧。
この調子で行けは、お盆前には、引っ越しは、終わって、2人の新しい学校も決まっているわね。
忍葉には、中央区の学校は勿体ないわ。
それに今日のワンピース‼︎
花姫なんて言われて、あんなものを着せていたら調子に乗るわ。気に入らない。
今日は、藍蓮様の手前、仕方なく置いてきたけど…、
退院して、今に戻ったら、忍葉が美咲たちの花王子家族に会う機会なんて絶対、作らないようにしないと…。
本当は、神獣人や花姫会に一度も、忍葉を会わせないまま、事を進めていきたかったんだけど、花姫会は、一々、厄介ね。
でも、いつまで経っても、花紋は出ないってなれば忍葉なんかすぐ、花姫会にも、美咲たちの花王子たちや、その家族にも、相手にされなくなるわ。気に入らないけど、それまでの我慢ね。
さあ、明日は朝、早いわ。美咲と美月の花王子のご家族と会うんだもの。しっかり寝ておかないと。
そう思って、晶子は、目を閉じた。
♢♢♢♢♢
美月も、花姫だった。それも、上位の。
忍葉も、花紋が出てなくても花姫だっていうし…。
せっかく、娘が3人も居るから1人位は、花姫だったらと思ってきたけど、
3人共とは…。
欲に歪んだニヤっとしたわらいを浮かべる。
あの時、決まりかけた見合いを蹴って、たまたま、そのタイミングで、できたからだけど、晶子と結婚して良かった。その時の子から、全員、花姫なんだもんな。
だけど、晶子の思い込みは、酷いな。
美月の時は、花紋を確認すると決まった途端、明日には、花姫になる。って言い切ってたし…、まあ、その通りになったけど…。
今度は、忍葉は、花姫だって言われたのに、
花姫じゃないから、花紋が出るわけないって、言い切るし…。
こっちは、違ってて欲しいよな〜。
今まで、口を出すと面倒になるから黙ってたけど、あれだけ花姫を大切にする花王子と花姫会が相手だ。
それぞれの花王子の美月と美咲を見る目や、態度を思い出し、
晶子の忍葉への態度は、花王子がわかる前に、どうにかしないと困るな…そう呟いた。
あの時みたいに船の乗り換え時かもな。
寝ている妻、晶子の隣で、夫、清孝はそんなことを思った。
明日の内覧は、仕事でいけないからな。忍葉が病院にいるから心配ないだろうけど、晶子が、花王子家族に変なことを言わなきゃいいけどな…。
そんなことを考えながら、清孝は、眠りについた。
忍葉が、疲れて一人、病室のベッドで眠りについてから、数時間後、忍葉の家族たちも、
それぞれの場所で眠りにつこうとしていた。
♢♢♢♢♢
藍蓮様と一緒に、お母様の家に着いた美月は、すぐに、
『美月ちゃん。今日は、もう疲れただろうから、眠った方がいいよ。』
と、使用人に、寝室に案内された。
用意された寝室のベッドに横になった美月は、今日の一連の出来事を考えていた。
お姉ちゃん、藍蓮様と食事を済ませて戻ったら、ぐっすり眠っていた。
よっぽど、疲れたんだろうな…、それなのに、お母さんたち…酷すぎる。あんな、ピクリとも動かなくなったお姉ちゃんを見たのに、お母さんも美咲も、お姉ちゃんのこと全く心配してなかった。
お母さんは、どうせいつもの体調不良だって決めつけた。いつもの訳ないのに…、
美咲は、また、お姉ちゃんのせいで予定通りいかないって怒っているし…、何を考えているのよ‼︎お母さんも美咲も‼︎
はあ〜。家に帰りたくなくて、藍蓮様に言われるまま、柘榴様の家に行くって言って着いて来ちゃったけど、凄い豪邸だった。
今更だけど、怖気付いてきちゃった。
こんな家の花姫なんて私にできるのかな…
お姉ちゃんのことも心配だけど、今日、花姫だとわかって、私もどうしていいかわからないよ…。
でも、花姫になったことは良かった。
藍蓮様に会ったら、素直にそう思えた。
花紋が、出る前はこんな風に思うなんて想像できなかったけど…。
お姉ちゃんもそうなんだろうな、
寮に住むことしか考えてないみたいだったし…
お姉ちゃん、せっかく、花姫だったのに、
全くなる気がない…全くそうだと思ってすらいなかった。
私もそうだったけど…、
それでも、お姉ちゃんほどじやなかった…。なんであんなに、完全に、遮断するみたいに否定するんだろう…
お姉ちゃんにも、幸せになって欲しいのに…。
私も、これから先何処に住めばいいか、決められなくて何も言えなかった。
けど…
今は、藍蓮様が居る。
話しを聞いてくれる、受け入れてくれる。
お姉ちゃんの花紋、早く現れたらいいのに、そうすれば、私のようにきっと嘘みたいに気持ちが変わると思うんだけどな…、
花紋が現れる抵抗って、一体何だろう…。
明日の内覧、少し心配だな…。藍蓮様、何を考えているんだろう?本当に、お姉ちゃんを早く寮に入れるためだけなのかな…。
お姉ちゃんの気持ちが頑ななのはよくわかったし、
あの家族とお姉ちゃんをあんまり近づけたくないから、藍蓮様の言う通りにすることにはしたけど、お姉ちゃんが寮に住むのも私は、本当は、反対なんだけどな…。
お姉ちゃん、これから、家族と離れて一人きりで生きて行く気みたいだった。あのまま、
お姉ちゃんを寮に行かせたら、良くない気がする…。
だけど、親たちと住む気にはなれないけど、藍蓮様と住むのも考えられない今の私には、何も言えない。
やっぱりこれからどうするか私が決めないことには、何を考えてもここで、迷ってグルグル回るだけ…、
藍蓮様が、言ったように、候補を実際に見て考えた方がやっぱりいいんだろうな…
そこに考えが思い至ったら、急に、凄い睡魔を覚えた美月は、大きな欠伸をすると、そのまま眠りに着いた。
♢♢♢♢♢
もう何なの‼︎花姫会も、藍蓮様も、美月も、
あの病院の医者も‼︎忍葉、忍葉、って。
花紋も出てないのに花姫って、
上位の花王子の花姫である可能性もあるって、あるわけないでしょ‼︎
バカじゃないの‼︎
心理的抵抗があって花紋が出ないなんて、
見た目だけじゃない。心も欠陥品ってことじゃない。
あんなただの欠陥品を皆んなで大事にして、本当、ムカツク。
お母さんが忍葉が花姫じゃない。
ってハッキリ言ってた。
なんでだろう…?
まあ、いいや、お姉ちゃんが花姫なんてある訳ないんだから。
それより早く明日にならないかな…
内覧楽しみだなぁ。
早く引っ越したいな…ここからだと翔の家まで、遠いもの。
美咲は、そんなことを思いながら眠りについた。
♢♢♢♢♢
あー、しまったわ。
花紋が現れることに心理的な抵抗があると、花紋を強制的に出す祈祷中に、忍葉みたいに倒れることがあるなんて…
誤解されてしまったわ。
忍葉が、花姫なわけ無いのに。
いつもの具合いが悪いこととは、違うって、
あの医者、譲らなかったわ。
違うわけないわよ。
ちゃんと忍葉は、お茶を飲んでいたし、意識を取り戻した時、吐いてたんだから。
花紋なんか出るわけないから、心配はないけど、色々、厄介なことになったわ…
でも、美月が花姫に、ちゃんとなれて良かったわ。
花姫なのは、わかっていたんだから。
私の子だもの。
それも花木姫だったなんて、想像以上だったわ。
双子の花姫の母親。
やっぱりそれが本来の私のあるべき姿なのよ。
あんなのが生まれたせいで、苦しめられたわ。それも、もうすぐ終わりね。ふふっ。
明日は、中央区管内の家の内覧。
この調子で行けは、お盆前には、引っ越しは、終わって、2人の新しい学校も決まっているわね。
忍葉には、中央区の学校は勿体ないわ。
それに今日のワンピース‼︎
花姫なんて言われて、あんなものを着せていたら調子に乗るわ。気に入らない。
今日は、藍蓮様の手前、仕方なく置いてきたけど…、
退院して、今に戻ったら、忍葉が美咲たちの花王子家族に会う機会なんて絶対、作らないようにしないと…。
本当は、神獣人や花姫会に一度も、忍葉を会わせないまま、事を進めていきたかったんだけど、花姫会は、一々、厄介ね。
でも、いつまで経っても、花紋は出ないってなれば忍葉なんかすぐ、花姫会にも、美咲たちの花王子たちや、その家族にも、相手にされなくなるわ。気に入らないけど、それまでの我慢ね。
さあ、明日は朝、早いわ。美咲と美月の花王子のご家族と会うんだもの。しっかり寝ておかないと。
そう思って、晶子は、目を閉じた。
♢♢♢♢♢
美月も、花姫だった。それも、上位の。
忍葉も、花紋が出てなくても花姫だっていうし…。
せっかく、娘が3人も居るから1人位は、花姫だったらと思ってきたけど、
3人共とは…。
欲に歪んだニヤっとしたわらいを浮かべる。
あの時、決まりかけた見合いを蹴って、たまたま、そのタイミングで、できたからだけど、晶子と結婚して良かった。その時の子から、全員、花姫なんだもんな。
だけど、晶子の思い込みは、酷いな。
美月の時は、花紋を確認すると決まった途端、明日には、花姫になる。って言い切ってたし…、まあ、その通りになったけど…。
今度は、忍葉は、花姫だって言われたのに、
花姫じゃないから、花紋が出るわけないって、言い切るし…。
こっちは、違ってて欲しいよな〜。
今まで、口を出すと面倒になるから黙ってたけど、あれだけ花姫を大切にする花王子と花姫会が相手だ。
それぞれの花王子の美月と美咲を見る目や、態度を思い出し、
晶子の忍葉への態度は、花王子がわかる前に、どうにかしないと困るな…そう呟いた。
あの時みたいに船の乗り換え時かもな。
寝ている妻、晶子の隣で、夫、清孝はそんなことを思った。
明日の内覧は、仕事でいけないからな。忍葉が病院にいるから心配ないだろうけど、晶子が、花王子家族に変なことを言わなきゃいいけどな…。
そんなことを考えながら、清孝は、眠りについた。