♢♢♢♢♢
『他にも、いくつか訊きたいことがあるけど、大丈夫かい?』
『はい。』
『君のお母さんがね、家族で出掛けるときや、緊張するような予定があるときに、忍葉君は、具合が悪くなるって、見た目のことを気にしているから、
人目につくことや、出掛ける服のことなんかを悩んで考え過ぎるからじゃないか?
って言うんだけどね。
君はそのことについてどう思う?』
『思うことを言ってもいいの?』
『もちろんだよ。君の診察だからね。君が思うことを言ってくれないと困っちゃうよ。』
『確かに、家族で出掛ける時や、入試の時とか吐いたことはあるけど…、
緊張したり、悩んで具合が悪くなるときは、
頭痛だったり、腹痛で、家族に言ったりしないから皆んな知らない…。
それに…』
言いかけて躊躇ってそれ以上、何も言えなくなった。
『お姉ちゃん。お姉ちゃんが倒れて、パニックになって、色々な思いが溢れてきちゃって…。お姉ちゃんが寝ている間に、家の中のことを藍蓮様と龍咲さんに色々、話したから。
もし家のことを話しちゃいけないと思っているなら…だけど、お姉ちゃんの思うように話して大丈夫だよ。』
美月は何を話したんだろう?
思うように話すってどこまでいいんだろう?
そんなことを思って躊躇ったけど、意を決して口を開いた。
『…見た目のことを悩んでいるか?わからない。自分の見た目を悩む暇がなかった。
ずっと、お母さんが私の見た目を気にしてたから。私は、そんなお母さんを気にしてきた。
服も、出かけることもそう。着させて貰えないし、学校以外、外に出れない。
その息苦しさに悩んでも、それ以外に、悩むことすら私にはできない…』
長い沈黙の後、もう口を開かないと思ったのか?神蛇先生が口を開いた。
『そうなんだね。この間、具合が悪くなった時も、吐いたそうだね。』
『はい。急に吐き気がして…。』
『そう。急に、吐き気がする時の前は、何をしていることが多い?変わったこととか、思い当たることとかある?』
『この間は、憂鬱だった…。
これから先のことを考えて…。
あと、意外だった。
お母さんは、私を都心の中央区に行かせたりしないし、花姫かどうかの確認なんて絶対させたくないと思ってたから。
あっさり行かせる感じで、それが意外だった。
それと…お母さんが、珍しく機嫌が良かったみたいで、美月と私に飲み物を用意してくれた。
一瞬、神蛇先生と藍蓮様の顔つきが変わったように思えて、黙ってしまった。
『どうかしたの?続けて。』
と藍蓮様が穏やかに言った。
気のせいだったのかな?と思いながら、話しを続けることにした。
えっと…、そう言えば、…吐く時は、お母さんが、いつもと違う時かも、いつもと違うことを私にさせたり、行かせたりする時…、
私いつも、お母さんは、ホントに〜へ私を連れて行くのかなとか、思ってる。』
『飲み物は、何を用意してくれたの?』
『えっ?えっと、美月はアイスティー、
私は、アイスカフェ・ラテだったと思う。』
『お母さんはいつもは飲み物を用意しないの?機嫌がいいときだけ?』
『飲み物を用意するのは私の係だから、お母さんは、滅多にしない。
機嫌…良かったのかなぁ?いつもと違うことをするってお母さんがいう時に、決まって飲み物を作って、今日は、〜するから、ちゃんとするのよ。って言うけど、機嫌が良かったのかな…。』
『お母さんの機嫌がいい時は、どんな感じなの?その時とは違うの?』
『美咲と話すときは、優しい声で、よく喋って凄く笑ってて楽しそう。
私には向けない…。全然違う。』
『今日、倒れたよね。今日と、吐くときは、同じ?違う感じ?』
『えっ?今日みたいなことは、はじめてだよ。』
『そう。今日みたいなことは、初めてなんだね。じゃ、いつもの具合いが悪くなるのと、違うね。』
『うん。全然違う。』
『他にも、いくつか訊きたいことがあるけど、大丈夫かい?』
『はい。』
『君のお母さんがね、家族で出掛けるときや、緊張するような予定があるときに、忍葉君は、具合が悪くなるって、見た目のことを気にしているから、
人目につくことや、出掛ける服のことなんかを悩んで考え過ぎるからじゃないか?
って言うんだけどね。
君はそのことについてどう思う?』
『思うことを言ってもいいの?』
『もちろんだよ。君の診察だからね。君が思うことを言ってくれないと困っちゃうよ。』
『確かに、家族で出掛ける時や、入試の時とか吐いたことはあるけど…、
緊張したり、悩んで具合が悪くなるときは、
頭痛だったり、腹痛で、家族に言ったりしないから皆んな知らない…。
それに…』
言いかけて躊躇ってそれ以上、何も言えなくなった。
『お姉ちゃん。お姉ちゃんが倒れて、パニックになって、色々な思いが溢れてきちゃって…。お姉ちゃんが寝ている間に、家の中のことを藍蓮様と龍咲さんに色々、話したから。
もし家のことを話しちゃいけないと思っているなら…だけど、お姉ちゃんの思うように話して大丈夫だよ。』
美月は何を話したんだろう?
思うように話すってどこまでいいんだろう?
そんなことを思って躊躇ったけど、意を決して口を開いた。
『…見た目のことを悩んでいるか?わからない。自分の見た目を悩む暇がなかった。
ずっと、お母さんが私の見た目を気にしてたから。私は、そんなお母さんを気にしてきた。
服も、出かけることもそう。着させて貰えないし、学校以外、外に出れない。
その息苦しさに悩んでも、それ以外に、悩むことすら私にはできない…』
長い沈黙の後、もう口を開かないと思ったのか?神蛇先生が口を開いた。
『そうなんだね。この間、具合が悪くなった時も、吐いたそうだね。』
『はい。急に吐き気がして…。』
『そう。急に、吐き気がする時の前は、何をしていることが多い?変わったこととか、思い当たることとかある?』
『この間は、憂鬱だった…。
これから先のことを考えて…。
あと、意外だった。
お母さんは、私を都心の中央区に行かせたりしないし、花姫かどうかの確認なんて絶対させたくないと思ってたから。
あっさり行かせる感じで、それが意外だった。
それと…お母さんが、珍しく機嫌が良かったみたいで、美月と私に飲み物を用意してくれた。
一瞬、神蛇先生と藍蓮様の顔つきが変わったように思えて、黙ってしまった。
『どうかしたの?続けて。』
と藍蓮様が穏やかに言った。
気のせいだったのかな?と思いながら、話しを続けることにした。
えっと…、そう言えば、…吐く時は、お母さんが、いつもと違う時かも、いつもと違うことを私にさせたり、行かせたりする時…、
私いつも、お母さんは、ホントに〜へ私を連れて行くのかなとか、思ってる。』
『飲み物は、何を用意してくれたの?』
『えっ?えっと、美月はアイスティー、
私は、アイスカフェ・ラテだったと思う。』
『お母さんはいつもは飲み物を用意しないの?機嫌がいいときだけ?』
『飲み物を用意するのは私の係だから、お母さんは、滅多にしない。
機嫌…良かったのかなぁ?いつもと違うことをするってお母さんがいう時に、決まって飲み物を作って、今日は、〜するから、ちゃんとするのよ。って言うけど、機嫌が良かったのかな…。』
『お母さんの機嫌がいい時は、どんな感じなの?その時とは違うの?』
『美咲と話すときは、優しい声で、よく喋って凄く笑ってて楽しそう。
私には向けない…。全然違う。』
『今日、倒れたよね。今日と、吐くときは、同じ?違う感じ?』
『えっ?今日みたいなことは、はじめてだよ。』
『そう。今日みたいなことは、初めてなんだね。じゃ、いつもの具合いが悪くなるのと、違うね。』
『うん。全然違う。』