〇第1話シナリオ
※ プロローグ
大陸の北端、最果てに『忘れられし牢獄』あり。
その中でも最も最奥に、その男はいた。
……名はエリック・ボウマン。かつて、大陸最強と呼ばれた大賢者で、魔塔の元最高峰であった……。
彼はその卓越した魔術の腕を活かし魔王討伐戦争では活躍したと謳われていたが──……その裏では魔族と通じていた卑怯者であったと伝えられる。
その事実を突き止めたかつての仲間たちによって断罪されたエリックは、囚われの身となり、15年もの長きにわたり、その罪を償うために幽閉されることになる──。
……しかし、その話は全くのデタラメであった。
エリックは名も恥じぬ大賢者であり、魔王討伐戦争では活躍どころか、魔王そのものを封印した真の勇者であったのだ。
だが、その手柄を欲した仲間と、エリックの婚約者の裏切りによって彼は汚名を着せられ、投獄されてしまった。
そして、15年───……。エリックは長年に渡る過酷な幽閉生活でついに心と体を病み、そして、自分に残された余命が僅かとなった事を悟る。
幾ばくも無い生の中。
しかし、エリックは諦めてはいなかった。
自分をこんな目にあわせた連中に復讐を果たす。そして、それを良しとしたこの国にも目にものを見せてやると───。
この時、15年の執念が実り、エリックが長い年月をかけて完成させた古代魔法が遂に完成する。
それは、かつて魔王討伐戦で手に入れた古代魔法書を解読したもので、中身は禁忌の魔法が記されていた。
……その名も『リッチ』
アンデッドの王にして不死に賢者のリッチ。その『リッチ』になる魔法がついに完成し、起動した。
薄れゆく意識に先に、エリックは『リッチ』となって、復讐を果たすことを夢見るのだった……。
※ #1
魔王討伐戦争。
それは、魔塔主に才能を見出され、若くして大賢者の称号を受けたエリックにも無関係でいられる話ではなかった。
戦争の兆しは王国を覆い、ついに、神々が魔王を討つ戦士たちを宣託し始めた。
その中の一人が、この国の王子にして、勇者と呼ばれる最強の剣士であった。
彼は並外れた剣の腕と、不死の身体を与えられ、文字通りの無敵となった。
そして、無敵となった王子は勇者として、宣託に従い次々に新しい仲間をパーティに引き込んでいった。
そう、エリックもその宣託のうちの一人であったというのだ。
面食らったものの、断ることもできずに、エリックは魔王討伐戦に参加する。支援人員として、助手の男と、婚約者にして攻撃魔法の使い手メルシアを伴って……。
〇第2話シナリオ
※ #2
魔王討伐戦は、順調に進んでいた。
エリックのほかに、大僧正、騎士団長などを加え、さらに支援軍を率いた勇者パーティは次々に魔王軍を打ち破っていった。
あまりの快進撃に、勇者となった王子は、次第に増長し、傍若無人なふるまいをするようになっていった。
だが、次第にそんな強さを持つ王子にエリックの婚約者メリッサは惹かれていったのだが……。
そうして、勝利を確信していた勇者たちが最終決戦に挑んだとき、なんと待ち構えていた魔王の反撃が成功する。
……魔王はこの瞬間のために全てを費やしていたらしく、
無敵の勇者を倒すべく、その身ごと世界から隔離し幽閉する空間を作り出すことで、完全にこの世から隔離して消し去ってしまったのだ!
そのことにより、中核戦力を失った勇者軍は壊滅。
エリックも危うく死の淵に立つが……。
魔王の作り出した、空間隔離の魔法を模倣。
戦争の途上で鹵獲した魔王軍の所持する古代魔術の解析に成功し、魔王を空間ごと隔離したことで──すんでのところで勝利する。
しかし、同時に隔離空間から救助した勇者は不名誉を挽回するためと、手柄独占のため、魔王軍の魔術を使ったエリックを魔王軍と通じていたと糾弾した。
この糾弾に、それぞれの事情で証言した仲間たち。
弟子、婚約者、教会幹部はこぞって、エリックは裏切り者で魔族と通じていたと証言した。
この証言により、エリックはすべての財産等を奪われ、世界の果てにある『忘れられし牢獄』へ幽閉されてしまう。
その際に、関係者は囚われ、恩義ある魔塔主は殺され、全ての財産も研究成果も、覚えた魔法すら奪われたエリック。
全てを失ったエリックは世界を呪うも、まだ奪われていない、『知識』を使って復讐を誓った。
既存魔法は封印されてしまったが、知識にある古代魔術ならば再現が可能。
そうして、驚異的な記憶力をもとに、古代魔術の解読に挑んだエリックは、15年の歳月をかけて牢獄内で古代魔法を再現した。
それが禁忌の下法──『リッチ』であった。
余命僅かな自分に最も適した魔法として、不死のアンデッドとなって、不死身に勇者に戦いを挑む。
その決意のもと、最後の力を振り絞って『リッチ』の魔法を起動したエリックは、ついに『リッチ』となる。
魔力を使い果たしたエリックが次に目覚めた時───。
〇第3話シナリオ
※ #3
魔力を使い果たしたエリックはようやく目残るも、リッチとなった実感がわかなかった。
しかし、古代魔法が成功したのは間違いなく、成功の証して、体にはリッチの魔法陣が小さく焼き付いていた。
「ここから復讐を始める!」
エリックは、リッチとなった力を証明すべく、脱獄を決意。
いつのまにか手元にあった金貨を囮に、脱走に成功。そのまま、人里を目指して旅立つことになる。
そうして、村に到着したエリックではあったがひどく目立っていた。
老人のような容姿に、酷い悪臭を放つボロ。
袋叩き似合いそうになるも、冒険者ギルドに駆けこむと、当面の金を工面すべく、かつて使っていた荷物(牢から脱出する際に回収)から冒険者カードを取り出し使用。
渋る副ギルドマスターを抑えて、ギルドマスターが丁寧に対応してくれた。
数枚程度の金貨の蓄えがあれば万々歳と思っていたが、なんと、冒険者カードの上限いっぱい金貨の貯蓄があった。
そのことに気付いたギルドマスターは平身低頭し、無礼を詫びるのであった。
こうして、当面の資金を得たエリックは、ついでに魔術師ギルドや鍛冶ギルドにも顔を出し、資金を確保。しかし、いずれのカードも上限額満杯であったという。
呆気の取られるエリックではあったが、まずは宿で休息と思い就寝する。
しかし───その瞬間!!
ガバリと飛び起きたエリックはふと思った。
「『リッチ』って、そっちのリッチ?!
どうやら、超々大金持ちになる魔法だったらしい。
しかし、そのことに気付いた瞬間、エリックは悲しむどころかむしろ喜んでいた……。
〇今後の展開
復讐を果たすべく、まずは金に糸目をつけずに情報収集。
その介あって、近くに、新生魔塔のトップに君臨するかつて弟子の噂を掴む。
そうして、弟子をはじめ、教会幹部、婚約者、国そのものに対して復讐と反撃を開始する。
※ プロローグ
大陸の北端、最果てに『忘れられし牢獄』あり。
その中でも最も最奥に、その男はいた。
……名はエリック・ボウマン。かつて、大陸最強と呼ばれた大賢者で、魔塔の元最高峰であった……。
彼はその卓越した魔術の腕を活かし魔王討伐戦争では活躍したと謳われていたが──……その裏では魔族と通じていた卑怯者であったと伝えられる。
その事実を突き止めたかつての仲間たちによって断罪されたエリックは、囚われの身となり、15年もの長きにわたり、その罪を償うために幽閉されることになる──。
……しかし、その話は全くのデタラメであった。
エリックは名も恥じぬ大賢者であり、魔王討伐戦争では活躍どころか、魔王そのものを封印した真の勇者であったのだ。
だが、その手柄を欲した仲間と、エリックの婚約者の裏切りによって彼は汚名を着せられ、投獄されてしまった。
そして、15年───……。エリックは長年に渡る過酷な幽閉生活でついに心と体を病み、そして、自分に残された余命が僅かとなった事を悟る。
幾ばくも無い生の中。
しかし、エリックは諦めてはいなかった。
自分をこんな目にあわせた連中に復讐を果たす。そして、それを良しとしたこの国にも目にものを見せてやると───。
この時、15年の執念が実り、エリックが長い年月をかけて完成させた古代魔法が遂に完成する。
それは、かつて魔王討伐戦で手に入れた古代魔法書を解読したもので、中身は禁忌の魔法が記されていた。
……その名も『リッチ』
アンデッドの王にして不死に賢者のリッチ。その『リッチ』になる魔法がついに完成し、起動した。
薄れゆく意識に先に、エリックは『リッチ』となって、復讐を果たすことを夢見るのだった……。
※ #1
魔王討伐戦争。
それは、魔塔主に才能を見出され、若くして大賢者の称号を受けたエリックにも無関係でいられる話ではなかった。
戦争の兆しは王国を覆い、ついに、神々が魔王を討つ戦士たちを宣託し始めた。
その中の一人が、この国の王子にして、勇者と呼ばれる最強の剣士であった。
彼は並外れた剣の腕と、不死の身体を与えられ、文字通りの無敵となった。
そして、無敵となった王子は勇者として、宣託に従い次々に新しい仲間をパーティに引き込んでいった。
そう、エリックもその宣託のうちの一人であったというのだ。
面食らったものの、断ることもできずに、エリックは魔王討伐戦に参加する。支援人員として、助手の男と、婚約者にして攻撃魔法の使い手メルシアを伴って……。
〇第2話シナリオ
※ #2
魔王討伐戦は、順調に進んでいた。
エリックのほかに、大僧正、騎士団長などを加え、さらに支援軍を率いた勇者パーティは次々に魔王軍を打ち破っていった。
あまりの快進撃に、勇者となった王子は、次第に増長し、傍若無人なふるまいをするようになっていった。
だが、次第にそんな強さを持つ王子にエリックの婚約者メリッサは惹かれていったのだが……。
そうして、勝利を確信していた勇者たちが最終決戦に挑んだとき、なんと待ち構えていた魔王の反撃が成功する。
……魔王はこの瞬間のために全てを費やしていたらしく、
無敵の勇者を倒すべく、その身ごと世界から隔離し幽閉する空間を作り出すことで、完全にこの世から隔離して消し去ってしまったのだ!
そのことにより、中核戦力を失った勇者軍は壊滅。
エリックも危うく死の淵に立つが……。
魔王の作り出した、空間隔離の魔法を模倣。
戦争の途上で鹵獲した魔王軍の所持する古代魔術の解析に成功し、魔王を空間ごと隔離したことで──すんでのところで勝利する。
しかし、同時に隔離空間から救助した勇者は不名誉を挽回するためと、手柄独占のため、魔王軍の魔術を使ったエリックを魔王軍と通じていたと糾弾した。
この糾弾に、それぞれの事情で証言した仲間たち。
弟子、婚約者、教会幹部はこぞって、エリックは裏切り者で魔族と通じていたと証言した。
この証言により、エリックはすべての財産等を奪われ、世界の果てにある『忘れられし牢獄』へ幽閉されてしまう。
その際に、関係者は囚われ、恩義ある魔塔主は殺され、全ての財産も研究成果も、覚えた魔法すら奪われたエリック。
全てを失ったエリックは世界を呪うも、まだ奪われていない、『知識』を使って復讐を誓った。
既存魔法は封印されてしまったが、知識にある古代魔術ならば再現が可能。
そうして、驚異的な記憶力をもとに、古代魔術の解読に挑んだエリックは、15年の歳月をかけて牢獄内で古代魔法を再現した。
それが禁忌の下法──『リッチ』であった。
余命僅かな自分に最も適した魔法として、不死のアンデッドとなって、不死身に勇者に戦いを挑む。
その決意のもと、最後の力を振り絞って『リッチ』の魔法を起動したエリックは、ついに『リッチ』となる。
魔力を使い果たしたエリックが次に目覚めた時───。
〇第3話シナリオ
※ #3
魔力を使い果たしたエリックはようやく目残るも、リッチとなった実感がわかなかった。
しかし、古代魔法が成功したのは間違いなく、成功の証して、体にはリッチの魔法陣が小さく焼き付いていた。
「ここから復讐を始める!」
エリックは、リッチとなった力を証明すべく、脱獄を決意。
いつのまにか手元にあった金貨を囮に、脱走に成功。そのまま、人里を目指して旅立つことになる。
そうして、村に到着したエリックではあったがひどく目立っていた。
老人のような容姿に、酷い悪臭を放つボロ。
袋叩き似合いそうになるも、冒険者ギルドに駆けこむと、当面の金を工面すべく、かつて使っていた荷物(牢から脱出する際に回収)から冒険者カードを取り出し使用。
渋る副ギルドマスターを抑えて、ギルドマスターが丁寧に対応してくれた。
数枚程度の金貨の蓄えがあれば万々歳と思っていたが、なんと、冒険者カードの上限いっぱい金貨の貯蓄があった。
そのことに気付いたギルドマスターは平身低頭し、無礼を詫びるのであった。
こうして、当面の資金を得たエリックは、ついでに魔術師ギルドや鍛冶ギルドにも顔を出し、資金を確保。しかし、いずれのカードも上限額満杯であったという。
呆気の取られるエリックではあったが、まずは宿で休息と思い就寝する。
しかし───その瞬間!!
ガバリと飛び起きたエリックはふと思った。
「『リッチ』って、そっちのリッチ?!
どうやら、超々大金持ちになる魔法だったらしい。
しかし、そのことに気付いた瞬間、エリックは悲しむどころかむしろ喜んでいた……。
〇今後の展開
復讐を果たすべく、まずは金に糸目をつけずに情報収集。
その介あって、近くに、新生魔塔のトップに君臨するかつて弟子の噂を掴む。
そうして、弟子をはじめ、教会幹部、婚約者、国そのものに対して復讐と反撃を開始する。