リーズと二コラは再び辺境の地の家へと戻ってきていた。

「二コラ……様」
「様はよしてくれ、今まで通りでいい」
「でも、まさか王子様だったなんて、知らなかったとは失礼いたしました」
「構わない、むしろかしこまられるとこまる」

 リーズは二コラに近づくと、俯きながら自分の気持ちを言う。

「妻になるって話、正直初めは驚きましたが、だんだん一緒に過ごすにつれてあなたのその優しい部分や頼りがいのあるところに惹かれて好きになりました」
「え?」
「そうですよねっ! 困りますよね!? だってたぶん王子には立派な婚約者の方がいらっしゃって、私なんて」
「本当かい?!」
「え?」