あれから3年がたちグランは10歳になった。

 今日は神々の洗礼の日だ。

 初めて魔法書を読んだあの日から毎日一生懸命魔法や歴史の勉強を続けてきた。
 数学や言語などもやったが一応前世では高校2年生まで通ってたので計算などは朝飯前だった。
 言語もスキル?のようなもので楽々クリアできた。
 ただいつ使えなくなるか分からなかったため一応覚えはしたが。

「今日はいよいよ洗礼の日ですね!グラン様!」

「ありがとう!マリネは洗礼の時に緊張した?」

「それはもちろんしますよ。ですが人生に一度のことなので楽しんで来て下さい」

「そうだね。楽しんでくるよ!」
 馬車の前には父と母、そしてカノンがいた。

「お兄様!早く早く~!行きますよ!」

「今日は洗礼の日だ。緊張しないで気楽にな?」

「大丈夫よ。グランならきっと色々なスキルをいただけるわ。では行きましょう!」

「ありがとうございます。父様、母様、カノン」
 そして馬車は動き出した。

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「あやつらは今日神殿に来るのか?」

「神官の報告だと今日になっております」

「では手筈通りによろしく頼むぞ」

「わかりました」

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 神殿に着くと前世で言う祭服を着た人がこちらに来た。

「ベルセリア家の馬車と見受けられる。本日の洗礼を担当させていただきます。ライカ司祭です」

「よろしくお願いします。司祭様。グランです」

「グラン様ですね。ではグラン様はこちらにお願いします」
 ライカ司祭のあとをついていくとそこには10柱の神々の像が立っていた。

「ここは礼拝堂と言い神々の洗礼の時や、礼拝の時に使用します」

「そうなんですね。部屋に入ったら神々が御見えになられたので驚きました。本に描かれていた神々よりさらに神々しい」

「なんと。グラン様はもう歴史書をお読みになられていらしたのですね」

「本は家にたくさんありましたから」

「羨ましいです。では早速始めましょうか。グラン様は両手を組んで祈る格好になっていてください」

「はい!」
 ライカ司祭が呪文を唱え始めると神々の像が輝き出した。
 あまりの眩しさに目をつぶるとそこには先ほど礼拝堂で見たような顔がならんでいた。

「ここ……どこ?」

「よく来たな!グランよ。もしくは朝比奈陽翔か」

「!!!」

「まあ驚くのも無理はないだろう。席に座りたまえ」

「え?えーーーーーーーーーーーー!」

「まずは自己紹介といこうかの。儂はタパス。あとは右から順にアラミラ、バイアス、バレシア、ナザレ、ソニカ、アーバン、サノヤス、ヤマト、バハマじゃ。これからよろしくの」

「ええと神様達ですか?」

「そうじゃ。まあ色々聞きたいことはあると思うがとりあえず二人を待とう」

「二人って・・・」

「どうやら来たようじゃ」

「「「え!?」」」
 ここに来た二人はポカンとしていた。
 グランはその顔を知っていた。

「浪華!恵梨香!だよな!?」

「何でここにはるが?なみちゃんも・・・」

「えりーこそなんで?」

「とりあえず落ち着け。話したいこともあるでのう」

「「「わ・・わかりました」」」

「まずは三人ともすまなかった。あの時三人は雷に打たれて地球で死んでしまったんじゃ。あの雷は儂らのミスでそちら側に行ってしまったものでの、地球の転生軌道には乗せられないらしいのでこちらで引き取ったのじゃ。本当にすまんな。お詫びと行ってはなんじゃが三人には記憶を残し、環境にも恵まれるように操作させてもらった。またスキルも普通より強いものになっておるから楽しんで生活してくれ」

「なるほど……。これまでの疑問が全てなくなったわけではありませんが納得はできました」

「私も大丈夫です」

「私もです」

「本当にすまんのう。まあこれからよろしく頼むわい」
 こうして神々との出会いと幼なじみとの再会を果たした。