……うそ……。
その話は……。
聞きたくなかった。
知りたくなかった。
そして、信じたくなかった。
話を聞いている。
その間ずっとずっと心が震えた。
これは何かの冗談。
そう思いたかった。
だけど、こんな悪趣味な冗談を言うはずがない。
だから……。
……信じる……しかなかった。
私と南輝くんは……兄妹……だということを……。
私と南輝くんが兄妹の理由。
それは私のお兄ちゃんと南輝くんが取り違え子だから。
ということは。
お兄ちゃんはお兄ちゃんではなく。
南輝くんが私のお兄ちゃんということになる。
そういえば。
お兄ちゃんと南輝くんの誕生日は同じ日だったな。
だけど、それはお隣同士の家族が奇跡のような偶然で同じ日に子供を産んだという感じに思っていたから。
それがまさか両家族の赤ちゃんが取り違えられていたなんて。