「……南輝……
……今、何て言った……?」
不思議や不安。
そんな思いや気持ちが混ぜこぜになっていると。
南輝くんのお父さんが表情を強張らせながらそう言った。
その言葉に南輝くんは「だから俺と碧海は付き合ってる、って」と、もう一度そう言った。
すると「もう一度、言えとは言っていない‼」と、南輝くんのお父さんが少しだけ声を荒らげた。
その言葉に南輝くんは「なんだよ、『今、何て言った?』って訊いただろ」と言いながら少しだけ困惑気味だった。
どうして南輝くんのお父さんは、そんな言い方をするのだろう。
「……こうなってしまった以上、
息子や娘たちにも真実を伝えなければ……
そうするしか……ないですよね……?」
南輝くんのお父さんの言い方のことを思っているとき。
南輝くんのお父さんがそう言いながら確認するように南輝くんのお母さんや私の両親の方を見た。
南輝くんのお母さんや私の両親は複雑な表情をしながら小さく頷いた。
わからない。
私の両親と南輝くんの両親のやりとりが。
表情や言っていること。
全てなにがなんだかわからない。
「……南輝、碧海ちゃん……
落ち着いて聞いてほしい」
なにがなんだかわからなくなっていると。
南輝くんのお父さんがそう言いながら南輝くんと私のことを交互に見た。
その表情は複雑そうで辛そうにも見えた。
その表情を見ると不安になってくる。
これからどんなことを話すのか。
「……今から話すことは———」