彼奴(遥緋)との出会いは最悪だった。
私が小学生だったのある日だった。
よく友達と遊んだ公園で、遥緋たちがブランコを独占していたのだ。
私は、友達とブランコに乗りたくて最初は優しく頼んだ。
「そのブランコの片方でいいから貸してほしいんだけど、いいかな。」
「は?俺たちが先に来たんだから、これは俺たちのだよ。ブスが。」
私はその言葉を聞いて手を出してしまったのだ。
小学生だから、許して欲しい。
ついつい我慢しきれずにしてしまった。
私の友達は思わず唖然としていた。
「自分の思い通りにならなければ、他人の容姿。罵るのやめたら?醜い私よりも見にくく見えるわよ貴方たち。」
「はあ?お前こそ、難しい言葉を使ってたら大人に見えるとか思い込んでんじゃねえ。」
「はあ?」
とか、言い合った。
そして手の出し合いになって、それで結局母さんの耳に入って怒られた。
次の日もまた、同じことがあってまた怒られて。
中学生になった頃。
ある日、遥緋に知られてしまったのだ。
「お前のその痣、なんだ。」
「痣ってなに?」
「お前の腹にあるやつ。」
そう言って遥緋は私の病気の痣を指さした。
惚けようとしたが、これは無理だとわかった。
見られていてはどうしようもないだろう。
「これは、何かの痣。多分なにかの病気の。」
「へえ。」
聞いた癖に遥緋は興味無さげに返事をした。
そして、私たちの関係を決定づけることを言った。
「なら、その病気でお前が弱ったかどうか俺が判断してやるよ。」
私は首を傾げた。
私でも分からない病気の進展をどうやって他人の遥緋が判断するというのだろう。
遥緋は自慢げに言った。
「お前が俺を殴った時の強さで決める。それで弱かったら、俺の勝ち。あの公園は俺のものだ。」
「はあ!?俺のものって!?あれは共用のはず。だから、公園は渡せない。」
「もしかして、負けるのが怖いのか。なるほど、そう言ってくれればいいのにな。」
と、遥緋は小馬鹿にしたように言った。
公園のことなんて心底どうでもいいが、ムカつく。
だから、挑戦に乗ってやった。
このことは思わず母さんに言ってしまって、呆れられた。













けれど……
















いつかどっちかが負けるまで。
多分ひたすら殴り殴られ続けるのだ。