「鈴、別れてほしい」
「は…?」
とある日の放課後のことだった。私たちは、付き合って一年が経とうとしている頃だった。
「なんで」
「他に、好きな人ができた。」
涼は秋なのにもうマフラーを身につけていた。私がクリスマスにあげたマフラーだった。
「本当?」
私は、全く信じることができなかった。最近まで今まで通りだったのに。デートもしたし電話もした。一緒に『風』と『柚子』を聴く習慣だって、途切れたことはなかったのに。
「ごめん。もう、話せない」
「ねぇ!待ってよ!」
涙を溜めた目で叫んだ。立ち止まって欲しかった。涼は、私に背を向けたまま絶対に振り返ってはくれなかった。涼の姿が完全に見えなくなっても、ずっと彼の背中の方を見つめていた。
初めにそのことを伝えたのは彩だ。彩は話を聞いて、ただ、嗚咽を漏らす私の背中をさすってくれた。私はお礼のひとつも言える余裕がなかった。
最低、そう思ってしまった。
そんなシーンで、私は目を覚ました。
「は…?」
とある日の放課後のことだった。私たちは、付き合って一年が経とうとしている頃だった。
「なんで」
「他に、好きな人ができた。」
涼は秋なのにもうマフラーを身につけていた。私がクリスマスにあげたマフラーだった。
「本当?」
私は、全く信じることができなかった。最近まで今まで通りだったのに。デートもしたし電話もした。一緒に『風』と『柚子』を聴く習慣だって、途切れたことはなかったのに。
「ごめん。もう、話せない」
「ねぇ!待ってよ!」
涙を溜めた目で叫んだ。立ち止まって欲しかった。涼は、私に背を向けたまま絶対に振り返ってはくれなかった。涼の姿が完全に見えなくなっても、ずっと彼の背中の方を見つめていた。
初めにそのことを伝えたのは彩だ。彩は話を聞いて、ただ、嗚咽を漏らす私の背中をさすってくれた。私はお礼のひとつも言える余裕がなかった。
最低、そう思ってしまった。
そんなシーンで、私は目を覚ました。