沢山のコメントの中から、一つ、このコメントに目が止まる。ユーザーネーム『あや』私が投稿を始めた頃からずっと支えてくれている子で、私が認知を実際に公表している子だった。年も私と同じ高校生らしい。あやちゃんが、リクエストをしてくれたら大体のことは、するようにしている。今の時間帯なら、教室にも人はいないだろう。
そう思い、席を立った。
「え…安田さん?」
教室のドアを開けて、生徒がいることに驚き、もう少しで声が出てしまうところだった。席に座っているのは、川田さんだった。
「なんで、安田さんがここにいるの?」
「…それは、こっちのセリフなんだけど」
初めて話したというのもあって、お互い気まずく、ぎこちなくなってしまう。時刻は五時半を過ぎたところだった。
「私は、別に…いつもここで宿題やってるから。」
そう、安田さんが答える。いざ話してみたら、すごく透き通った綺麗な声をしていることに気がついた。
「私は……わ、忘れ物をとりに来ただけ」
自分の写真を撮っているなんて言えるはずもなくて、咄嗟に思いついた嘘を口走る。川田さんはそっか、とぎこちない笑みを浮かべていた。
「…じゃ、じゃあ私行くね」
「うん…」
川田さんは、そのまま勢いよく立ち上がって鞄を持ち上げた。その拍子に、鞄の中から何かが落ちた。
「あっ」
川田さんは急いでそれを拾う。何を落としたのかは分からなかったけど、すごく慌てていた。その様子を何の気なしに眺めていると、川田さんの足元に目が止まる。何本も、何かで切った後のようなものがあり、一本か二本かさぶたになっているものもあった。
「…その傷、どうしたの?」
あまりに傷跡が多いのが気になって、尋ねると川田さんはさっきとは比べ物にならないくらい驚いていて、えぁ、とよく分からない声を出した。
「もしかして、」
リスカ?
と聞こうとした。でも、その声は遮られてしまった。
「カッターで切った……とか、言ったら引くよね」
強く言われて、私も動揺してしまう。やっぱり、あの傷は自分でやったものだったのか。そして、先ほど落としたのもカッターだったのかもしれないと考える。
川田さんは、自分でカーディガンの袖を捲る。手首には何本もの傷跡がついていた。私は、動揺で声すら出なかった。
「…ごめんね。勝手に気持ち悪いもの見せて。このことは忘れてね、じゃあ。」
そう思い、席を立った。
「え…安田さん?」
教室のドアを開けて、生徒がいることに驚き、もう少しで声が出てしまうところだった。席に座っているのは、川田さんだった。
「なんで、安田さんがここにいるの?」
「…それは、こっちのセリフなんだけど」
初めて話したというのもあって、お互い気まずく、ぎこちなくなってしまう。時刻は五時半を過ぎたところだった。
「私は、別に…いつもここで宿題やってるから。」
そう、安田さんが答える。いざ話してみたら、すごく透き通った綺麗な声をしていることに気がついた。
「私は……わ、忘れ物をとりに来ただけ」
自分の写真を撮っているなんて言えるはずもなくて、咄嗟に思いついた嘘を口走る。川田さんはそっか、とぎこちない笑みを浮かべていた。
「…じゃ、じゃあ私行くね」
「うん…」
川田さんは、そのまま勢いよく立ち上がって鞄を持ち上げた。その拍子に、鞄の中から何かが落ちた。
「あっ」
川田さんは急いでそれを拾う。何を落としたのかは分からなかったけど、すごく慌てていた。その様子を何の気なしに眺めていると、川田さんの足元に目が止まる。何本も、何かで切った後のようなものがあり、一本か二本かさぶたになっているものもあった。
「…その傷、どうしたの?」
あまりに傷跡が多いのが気になって、尋ねると川田さんはさっきとは比べ物にならないくらい驚いていて、えぁ、とよく分からない声を出した。
「もしかして、」
リスカ?
と聞こうとした。でも、その声は遮られてしまった。
「カッターで切った……とか、言ったら引くよね」
強く言われて、私も動揺してしまう。やっぱり、あの傷は自分でやったものだったのか。そして、先ほど落としたのもカッターだったのかもしれないと考える。
川田さんは、自分でカーディガンの袖を捲る。手首には何本もの傷跡がついていた。私は、動揺で声すら出なかった。
「…ごめんね。勝手に気持ち悪いもの見せて。このことは忘れてね、じゃあ。」