彼氏とはいっても、私は別に彼のことが好きなわけではなかった。
告白され、周囲にお膳立てされ、絶対に断れないような雰囲気にされて。
仕方なく、成り行きで付き合った。
休日に二人で出かけたり、隣のクラスでも毎日昼休みには中庭で一緒にお昼ご飯を食べたり、普通のカップルらしいことだってした。
それでも、どうしても彼に対して“ 友達”とか“ チームメイト”以上の感情を抱けなかった。
キスをされそうになったときは、酷い嫌悪感に襲われた。
それでも私は、そのうち本当に彼のことを好きになれると信じていた。
──そんな中での今日だ。
気が付くと私は、彼に告白された時の様子から部室での出来事まで、全てシュウさんに話していた。