コミュニケーションを取る気はあると思ったのだが、喋り方がどこか煩わしそうで、話好きというわけではなさそうだ。
それか、ここにいても良いとは言ったものの、やっぱり邪魔だったと思っているのか。
とりあえず私は、空気を読めないふりをして話続ける。
「星ってこんなにたくさん見えるんですね。知ってる星座とかないかなー……なんて、星座なんて全然わからないんですけど」
「……」
「あっ、でもあれは知ってる。オリオン座だ」
唯一見つけることができた、覚えやすい配置の星座を指さす。
すると、シュウさんは少し声を和らげた。
「そう。それでその下にあるのが、おおいぬ座。もう少し左にズレたところに、こいぬ座」
「犬?」
「オリオン座のベテルギウスとおおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオンで冬の大三角」
「三角……あ、あの明るい星三つ繋げて三角形か」