「佐山さん、僕の名前知ってる……の?」

「え?あ、ごめんなさい。人違い。……えっと、あなたは?」

「隣のクラスなんだ。2組の保科(ほしな)(しゅう)です。3組の佐山(さやま)(りん)さん、だよね?」

「ほしな、しゅう……」



“しゅう”

同じ名前だ。



そう思った時、私の頭の中で唐突に、シュウさんとの会話が蘇ってきた。



星を好きになったきっかけは、名前が星みたいだから。

“シュウ”という名前のどこが星みたいなんだろうかと不思議にだったが、名前というのが下の名前のことではなく、苗字のことだったら。

例えば、“ホシナ”みたいに。