私と彼は、毎日ここで会って、同じ星空を眺めていた。少なくとも私はそう思っていた。

だが違った。彼は、ここで彼女との思い出を見ていたのだ。


なのに私は──馬鹿みたいだ。



そんな私の思いなど知る由もないシュウさんは、私に視線を向けて微笑みかけてきた。



「キミのおかげだよ」

「私?」

「キミのおかげで、あの頃を鮮明に思い出せた」



彼はそう言って、──そっと私を抱きしめた。


なんで。なんでそんなことをするんだ。

私はグッと息を飲んだ。


あなたには、一緒にいたい大切な人がいるのに。



だけど私は、彼の腕を振り解けない。

この腕の中は、私がいるべき場所じゃないとわかっているのに。