シュウさんは話を聞いているのかわからないぐらい静かにしている。

それをいい事に、私は溜まっていた感情を吐き出ていく。



「彼、言ったんですよね。浮気するのは私が悪いんだって。私が手を繋ぐ以上のことさせないからダメなんだって。まあ、キスすらさせなかったのは事実だから言い返せなかったけど。……そう考えると、あいつのこと好きでもなかった私が怒るのも筋が違うのかな」



力なく笑うと、とてつもなく虚しくなる。

すると、静かだったシュウさんが、おもむろに私の方を見て言った。



「意味わかんない」



これまでと比べて、妙にはっきりとした声。



「そ、そうですよね。さっき会ったばっかの女子高生にそんな話されても意味わからないですよね」

「いや、そうじゃなくて。明らかに男が悪いのに、キミが負い目を感じてる意味がわからない」

「え……」