わたしたちは、前とは比べ物にならないくらい仲良くなった。でも、心ではどこかぎこちない。
「あのさ、卒業式が終わった後、少し話せるか?」いつものように帰ってる時、夕陽は、言った。
「いいよ。」
私がとびっきりの笑顔で返すと、夕陽は、目をそらした。
「その笑顔、禁止。」
このようなやりとりをしながら、いつもの川沿いを通って帰った。
だが、楽しいだけじゃいられなかった。
朝、学校につくと先生達が忙しそうだった。
どうしたのか、1人の先生に聞くと
「夕陽君が、交通事故にあったの。」
私は突然のことで意味がわからなかった。
でも、ジッとしてはいられなかった。
「どこの病院ですか?」
「総合病院よ。」
それを聞くなり、学校を飛び出した。
だれかに、引き止められたけど、そんなことはどうでもいい。早く行かなきゃ。
病院に着いて、夕陽がある教室に行った。
でも、すでに亡くなっていた。
夕陽の家族は、泣いていたけど、泣いたって夕陽は、帰ってこない。そう考えた瞬間。いつのまにか、病院を飛び出して、いつもの川沿いに行った。どんなにここで、夕陽のことを思っても、夕陽は帰ってこない。むしろ、思い出が、頭によぎって、悲しくなる。
「ねぇ、なんで、まだ、話聞いてないよ。」
「うぁぁぁぁんーー。」
私は、地べたにじゃがりこんで、これまでためていた涙を一気に出した。
もう、この世界に夕陽はいないという事実を思いながら。
私は全て泣き止んだ後、学校に戻った。