俺は今日プロポーズをする。少し前から鼓動が鳴りやまない。しかも手が震えてきた。俺と彼女は中学生からの付き合いで、高校も一緒だった。初めて彼女を見た時は大人しくていつも1人で本を読んでいたので地味な印象だった。だけど席替えで隣の席になった時、話す機会が少しだけ増えた。彼女は俺の話を聞いて笑顔で笑ってくれた。その笑顔が可愛くて惚れてしまった。よく顔を見ると鼻筋が通っていて綺麗な顔立ちだった。俺は勇気を出して中学2年生の時告白した。そしたら受け入れてくれた。正直断られてしまうんじゃないかと思っていたので、すごく嬉しかった。俺は中学生ながらにも彼女を一生幸せにさせたいと思った。そして今日、彼女にプロポーズをしようと予定している。
秋風に当たりながら待ち合わせに急ぐ、歩いていると迷子らしい小さな男の子が泣いていた。俺はその子の所に駆け寄って事情を聞いていた。すると男の子の家族が探しにきた。男の子は俺にお礼を言って家族の元へ行ってしまった。家族が見つかって良かった。誘拐でもされたら大変だ。時計を見ると待ち合わせ時間を過ぎてしまっていたので俺は急いで待ち合わせ場所に行った。
彼女と会うのは久しぶりだったので、なんだか不安だった。だけど彼女を見た瞬間それが安心に変わった。彼女の首元を見ると初めてのデートでプレゼントした花の形のネックレスを着けてくれていた。いつになっても似合っている。会ってすぐにプロポーズをするのはさすがに急すぎるので少し公園を散歩をする事にした。辺りを見ると紅葉したもみじが並んでいてすごく綺麗だった。
しばらく歩き、疲れてしまったのでベンチで休憩していた。ぼちぼち落ちついてきたのでプロポーズをするのは今だと思った。俺は立ち上がりポケットに入れていた指輪を差し出した。彼女はすごく驚いていた。そして嬉しそうに笑っていた。これは成功だなと思った。結果は成功だ。俺を選んでくれてありがとう。
そして1年後式を挙げ、子供が生まれた。今は2歳と7歳になり、元気が良くてとても可愛い。上の子は最近小学生になったばかりだ。入学式の時は思わず泣いてしまった。俺はそこまで涙脆くなかったが、子供が生まれてからはなぜか涙脆くなってしまい我が子が成長した姿を見ると時々涙が出てくる。妻は毎日家事や育児で疲れてしまうので、仕事から帰ると俺も手伝うように心がけている。俺はこれから家族と沢山の思い出を作り、助け合って幸せに暮らしていこうと思う。