突然ギズーが声を出した、今までずっと話を聞いていた流れから一つの疑問が浮かんだ。
「正直、俺達も此処へ来る途中幾つかの動物や怪物みたいなのに襲われてるんだ、それなのに実践じゃないってのはどういうことなんだろ?」
確かに正論ではある、それを聞いたカルナックはバツが悪そうに左手で頭を掻いて申し訳なさそうに言う。
「私に責任があるんですよ、修行時代にこの森のあらゆる動物や怪物、化物と戦わせましたので……アデルからすれば”それは修行の一環であり、実践ではない”と解釈しているのでしょう」
その話を聞いて二人は呆れた、確かにアデルとレイの強さは尋常ではなかったがその原因はやはり師匠であるこの人にあるようだ。幼少時代の修行に野生の動物や弱小の怪物を相手していればそれは人間など取るに足らない存在だといえよう。
「さて」
カルナックが廊下の奥においてある時計に目をやる。
「そろそろ時間ですね」
そういうとカルナックの背中側から悲鳴にも似た声が聞こえた、何事かとガズルとギズーはカルナックを押し退けて部屋へと入った。
「なんだよこれ」
ギズーが言う、目の前に広がってきたのは夥しい量のエーテルを蓄積したアデルとレイの姿だった。二人とも中に浮いてそれぞれの力に取り込まれようとしている。
「始まりましたね、後は二人の精神次第です」
「剣聖、説明してくれ。どうなってるんだ!」
二人の後ろに立ち一度ずれた眼鏡を右手で治し、自分の愛弟子二人を見つめながら
「これが、剣聖結界です」
そう言った。
「正直、俺達も此処へ来る途中幾つかの動物や怪物みたいなのに襲われてるんだ、それなのに実践じゃないってのはどういうことなんだろ?」
確かに正論ではある、それを聞いたカルナックはバツが悪そうに左手で頭を掻いて申し訳なさそうに言う。
「私に責任があるんですよ、修行時代にこの森のあらゆる動物や怪物、化物と戦わせましたので……アデルからすれば”それは修行の一環であり、実践ではない”と解釈しているのでしょう」
その話を聞いて二人は呆れた、確かにアデルとレイの強さは尋常ではなかったがその原因はやはり師匠であるこの人にあるようだ。幼少時代の修行に野生の動物や弱小の怪物を相手していればそれは人間など取るに足らない存在だといえよう。
「さて」
カルナックが廊下の奥においてある時計に目をやる。
「そろそろ時間ですね」
そういうとカルナックの背中側から悲鳴にも似た声が聞こえた、何事かとガズルとギズーはカルナックを押し退けて部屋へと入った。
「なんだよこれ」
ギズーが言う、目の前に広がってきたのは夥しい量のエーテルを蓄積したアデルとレイの姿だった。二人とも中に浮いてそれぞれの力に取り込まれようとしている。
「始まりましたね、後は二人の精神次第です」
「剣聖、説明してくれ。どうなってるんだ!」
二人の後ろに立ち一度ずれた眼鏡を右手で治し、自分の愛弟子二人を見つめながら
「これが、剣聖結界です」
そう言った。