外で待っていたガズルが問う、カルナックは首を振って答える。

「まだです、ですがそろそろのはずだと思います」
「あの二人は、一体どうなっているんだ」

 続いてギズーが聞いた。

「今の二人は自身のエレメントと対話をさせています、レイ君は目覚めが早いでしょうけどアデルには荷が重い話し合いになるかもしれませんね」
「炎のエレメント、そんなにやばいものなのか」
「一言で言えば頑固、荒々しく見える炎でも一つの絶対なる秩序と言うものがあるのです。それを理解し記憶、さらに契約しなければインストールは扱えません。そして彼等は今、絶対心理の世界にいます。それは己の心の中と言えば聞こえは良いかもしれません、ですが内情はそれほど穏やかな場所ではありません」

 カルナックの説明に首を傾げる二人、まず何を言っているのかを理解するのに時間を費やし、さらにそれが何故今の二人に起こっているのかを考える。先に答えを出したのはガズルだった。

「さっき、剣聖の剣が光ったよな。あれが二人を絶対心理の世界に入れる物だった?」
「正確には違います、あの技はそこまでの効力は持ち合わせてません。もとよりあの技はアデルが開発した自己流奥義の一つです、名前は……」

 カルナックがそこまで言うと先にその答えをガズルが口に出す。

「逆光剣、確か可視光の光を作るのと同時に目には見えない特殊な光を出す。その光を見たものは目をくらませ、技の使用者が念じた相手の本当の姿を引き出す。実践じゃ使えない技だって言ってたな」
「その通り、ですが対人では話が別です。アデルの言う実践とは俗に言う怪物や化物を相手にした時の事でしょう、この森には凶暴な動物から小さな化物まで住んでいますからね。あの子なりに考えた実践とはそれらを相手にすることは入れてないのでしょう」
「……でもさ」