突然の話題変更に目を光らせながらレイの顔を見る、再びタバコをくわえると自分の指定席に戻ってまた饅頭に手を伸ばす。
「神苑の瑠璃について何か知っていることはありませんか?」
饅頭を取ろうとしたその手がピタっと止まる、ゆっくりとレイに顔を向け凝視する。レイは何か聞いてはいけないことを聞いてしまったのかと驚いている。心配そうにレイの指を擦っていたメルもビクっと肩を震わせる。ギズーとアリスもピタッと動きを止めてしまった。
「レイ君、どこで瑠璃の事を?」
「アデルが話してくれたんです、まだ明確ではありませんが帝国も瑠璃の捜索に動き始めた様子です」
一段とカルナックの表情が険しくなった、その顔を見てレイは恐怖を覚える。今まで見たこと無いその目、話しかけるにも怖くて声を掛けづらい感じだった。
「――指揮を取っているのは誰か分りますか?」
「剣帝序列筆頭、レイヴン・イフリート」
居間に居た全員が声がした方を見る、そこにはフラフラとまっすぐ立つ事もできないアデルが居た。頭を左手で抑えて右手で壁に寄りかかっている感じだった。
「ここに来る途中に聞いた話だ、中隊規模を引き連れて向かうところを見たって行商人が居たんだ。おやっさん、神苑の瑠璃っていったい何なんだ? 帝国が狙うほどの代物なのか? アレほどの権力と力を持った帝国が今更何でそんな石を欲しがる、中央大陸と西大陸を武力で制圧するほどの力を持っておきながら今更何を願う?」
「……」
カルナックはスッと立ち上がりアデルの傍へと歩き始めた、険しい表情でアデルを見つめ一つ溜息をついた後笑みをこぼした。
「君達が知る必要の無い物です、その石の事は忘れなさい」
「でもおやっさん!」
「なりませんアデル、あの石に近づくことでレイヴン達は全滅するでしょう。わざわざ貴方が戦う必要も無くなり無理をしてインストールをマスターする必要も無くなった、良い事じゃないですか。自分の命は大切になさい」
そういうとカルナックはアデルの肩に手を置いた、アデルは何か言いたそうな表情をしていたがそれをカルナックが首を振って止めた。そして自分の部屋へとゆっくりと戻っていく。
「どうしたんだろうな剣聖」
ガズルが口を開いた、重たい空気の中最初に言葉を発する。それからまた暫く沈黙が流れ風の音だけが居間に流れていた。
「神苑の瑠璃について何か知っていることはありませんか?」
饅頭を取ろうとしたその手がピタっと止まる、ゆっくりとレイに顔を向け凝視する。レイは何か聞いてはいけないことを聞いてしまったのかと驚いている。心配そうにレイの指を擦っていたメルもビクっと肩を震わせる。ギズーとアリスもピタッと動きを止めてしまった。
「レイ君、どこで瑠璃の事を?」
「アデルが話してくれたんです、まだ明確ではありませんが帝国も瑠璃の捜索に動き始めた様子です」
一段とカルナックの表情が険しくなった、その顔を見てレイは恐怖を覚える。今まで見たこと無いその目、話しかけるにも怖くて声を掛けづらい感じだった。
「――指揮を取っているのは誰か分りますか?」
「剣帝序列筆頭、レイヴン・イフリート」
居間に居た全員が声がした方を見る、そこにはフラフラとまっすぐ立つ事もできないアデルが居た。頭を左手で抑えて右手で壁に寄りかかっている感じだった。
「ここに来る途中に聞いた話だ、中隊規模を引き連れて向かうところを見たって行商人が居たんだ。おやっさん、神苑の瑠璃っていったい何なんだ? 帝国が狙うほどの代物なのか? アレほどの権力と力を持った帝国が今更何でそんな石を欲しがる、中央大陸と西大陸を武力で制圧するほどの力を持っておきながら今更何を願う?」
「……」
カルナックはスッと立ち上がりアデルの傍へと歩き始めた、険しい表情でアデルを見つめ一つ溜息をついた後笑みをこぼした。
「君達が知る必要の無い物です、その石の事は忘れなさい」
「でもおやっさん!」
「なりませんアデル、あの石に近づくことでレイヴン達は全滅するでしょう。わざわざ貴方が戦う必要も無くなり無理をしてインストールをマスターする必要も無くなった、良い事じゃないですか。自分の命は大切になさい」
そういうとカルナックはアデルの肩に手を置いた、アデルは何か言いたそうな表情をしていたがそれをカルナックが首を振って止めた。そして自分の部屋へとゆっくりと戻っていく。
「どうしたんだろうな剣聖」
ガズルが口を開いた、重たい空気の中最初に言葉を発する。それからまた暫く沈黙が流れ風の音だけが居間に流れていた。