レイに目線を送りそれを話した、少し緊張していたレイはホッとして少しリラックスをして近くの椅子に座った。

「……問題はアデル、貴方です」
「俺に問題?」
「そうです、貴方は生まれつき法術が苦手なタイプです。貴方は法術剣士と言うよりは剣士に近い。ただ少し特異な剣士である事は明白です」
「それとインストールとどんな関係があるんだ?」

 アデルは少し強ばった声でそう言った、両手に握り拳を作り歯をギリっと音を立ててかみしめる。

「インストールとは、体内のエーテルを暴走させ、周囲のエレメントを取り込んで一時的に爆発的に強くなる。当然その身体に対するダメージは勿論、エーテルコントロールが上手く行かなければ精神状態はもちろん、ちゃんと活動出来るかどうか定かではない状態になります。言ってしまえばインストール失敗は後に来る自分自身への暴走を前提とした諸刃の剣。これがどういう意味をなすか分かりますね?」

 アデルは握り拳をほどいて少し後ろの方に後ずさりした、顔には変な汗と驚きの表情が有った。そして、カルナックの言った言葉の意味を受け入れようとはしなかった。いや、そんなもの受け入れたらどうにかなってしまう。それ程アデルには危険性のある物だった。

「おやっさん、それってつまり……」
「そう、貴方がインストールを習得してそれを使えば、後に残るのは……死だけ」

 ジジジと電球が音を立てて点滅を始め、そしてアデルは何も言葉を発する事も出来ずに立ち尽くしていた。