アリスからの言葉はとても辛くギズーにのし掛かった、親友が死ぬかも知れない戦い。ましてや死ぬかも知れないと言うよりは死ぬつもりという言葉がどれほど重みか。

「レイ君はね、瑠璃を使ってメルちゃんの病気を治すんだって張り切ってたよ。瑠璃の使い方も正体も知らないくせに。頑張るんだって一生懸命だった、だから私も本当の事言えなかった」
「なんだよ、何だよ使い方って! レイが瑠璃を使うとどうなるんだよ!」

 ジジジ、煙草の灰が床に落ちてそこから煙が少しだけ上る。煙が目に入ってしみるのか、もしくはこれからレイに起こりうる厄災の事を考えての事か。アリスの目には涙が浮かんでいた。

「瑠璃は、あの宝石は存在しない。元々、神苑の瑠璃なんてモノは存在していないの。だけど、存在していないモノの正体は分かってる」
「話をそらすんじゃねぇ! 瑠璃って何だ! 何がどうなってんだよ!」
「ギズ君、君にだけは本当の事を教えるわ、神苑の瑠璃とは何か」

 窓から少し冷たい空気が部屋の中に流れ込んだ、火を付けたっきり一つも吸ってないたばこは、燃え尽きて床にぽとんと落ちた。

「神苑の瑠璃というのは」