スカーフが地面に付いた瞬間二人は動いた、アデルがレイに向かって突っ込んでくる。

「ぼさっとしてんなぁ!」

 だがレイは左手を自分の前で何やら法術を施している。アデルが急速に接近してきた所でレイが動く。
 二人の剣はぶつかりその間から火花が散った、レイが左手に法術を施し終わってそれを勢いよくアデルの身体にたたき込んだ。するとアデルは後方の方へと大きく吹き飛ばされ背中から地面に叩き付けられた。

「ててて、普通最初から切り札に近い技を使うかテメェ?」
「だって、手加減するなって言われたから」
「んなら、俺だって容赦しねぇからな!」

 アデルはすっと立ち上がりレイ目掛けて再び突進した。レイも構え直す、だが今度は先ほどとはちょっと違う構えだった。両手を自分の身体の前に添えて剣を正面に構えた。

「行くぜレイ!」

 その言葉と同時にアデルは消えた、しかしレイだけはその姿を捕らえていた。アデルの姿は突然空に現れて右手を大きく振りかぶっている。

「ガトリング・カスタム!」

 振りかぶられた手を勢いよく下ろす、剣筋に合わせて炎が飛び出してきた、その炎を軽々と剣で受け止めるレイ、だがアデルはその状況の中とても笑顔だった。
 次ぎにアデルは左手を水平に伸ばし勢いよくそれを振るった。するとレイの真横から炎が突き刺さる。

「ちょ、ちょっと待った!」
「待てと言われて待つ人間何ざいねぇよ!」

 その炎はレイの身体に着弾した。大きく横にはじき飛ばされたレイの身体を更に炎が襲う。右、左、上、下、あらゆる方向から炎が巻き起こりレイの身体を吹き飛ばした。

「勝負有ったな」
「だぁ、俺の負けだよ!」

 アデルはレイに近寄るとそっと手を伸ばした、その手に捕まり身体を起こすレイ。服はほとんどボロボロだ。
「ははは、宜しい。次はガズル君と言ったかな? 君とギズー君と勝負をしなさい」
「手合わせは初めてだな?」

 ギズーがニヤッと笑う。

「あぁ、手加減無しだぜ?」

 二人はとっさに戦闘態勢に入った、ギズーは先ほどカルナックとやり合ったにもかかわらず疲れてる表情一つ見せずに息を整える。そして右のホルスターからシフトパーソルを取り出す。

「しゃぁ!」