「全員敬礼!」
暗く、妙に生臭い風が吹く日だった。何百人もの中心を歩く一人の男が居る、とても高そうな服装ではなく、また華麗な服装でもなかった。エルメアだ、白いエルメアを身に纏って二人の側近と一緒にその道を歩いている。
ザッザッザと足音が聞こえる、道を造っている兵隊達は皆緊張しきっていた。だが決してそれを他人に見透かされぬように気を集中している。その性か余計にぴりぴりとした空気が辺りに立ちこめる。
そして男は一際地面に高い所に登るとその眼科に移る何百人もの人間に向かって咆吼をあげる。
「皆の者、よく聞け!」
マイクを使わずとしても迫力のあるその声、要塞中に響き渡らんばかりの大声だった。
「我が帝国軍はこれより特殊任務へと総員を配備することになった、我々帝国の運命が掛かっていると言っても過言ではない! 本日より我が軍隊は“神苑の瑠璃”を探す事になる! そして、我が軍の要であり、優秀なセラ・フォース(注意:帝国軍最高司令部付き特別任務部隊の事)より言葉を頂く!」
大声で喋る男のすぐ近くにいた人間が動いた、その人間は先ほど一緒に歩いてきた側近だった。
「帝国軍特殊任務部隊中央大陸南部中隊長……」
ゆっくりと祭壇の上に上がり眼科に移る全ての人間に向かって敬礼をする。
「レイヴン・イフリート!」
とても透き通った目で辺りを見回し、敬礼を取った。呼吸を整えるとゆっくりと目を見開いて口を動かす。
「諸君らにいくつかの注意点を発表しておく、一つは瑠璃に自らの欲望を重ねない事!」
ざわめきが起きた、しかしそれもすぐに止みレイヴンが再び口を開く。
「もう一つは、反乱軍に出くわしたら直ぐさま逃げる事! 彼等は我が帝国を滅ぼさんと企む民間側の軍隊だ! その戦闘能力は圧倒的と聞いている! 決して彼等の挑発に乗らないように! そして、彼等の最大の特徴を発表する。彼等は――」
突然一拍子置いた、次の言葉を言うのにとても可笑しいのだろうか、笑いが止まらないレイヴンが居た。
「――彼等は、子供だ」
「……」
「えーと」
暗く、妙に生臭い風が吹く日だった。何百人もの中心を歩く一人の男が居る、とても高そうな服装ではなく、また華麗な服装でもなかった。エルメアだ、白いエルメアを身に纏って二人の側近と一緒にその道を歩いている。
ザッザッザと足音が聞こえる、道を造っている兵隊達は皆緊張しきっていた。だが決してそれを他人に見透かされぬように気を集中している。その性か余計にぴりぴりとした空気が辺りに立ちこめる。
そして男は一際地面に高い所に登るとその眼科に移る何百人もの人間に向かって咆吼をあげる。
「皆の者、よく聞け!」
マイクを使わずとしても迫力のあるその声、要塞中に響き渡らんばかりの大声だった。
「我が帝国軍はこれより特殊任務へと総員を配備することになった、我々帝国の運命が掛かっていると言っても過言ではない! 本日より我が軍隊は“神苑の瑠璃”を探す事になる! そして、我が軍の要であり、優秀なセラ・フォース(注意:帝国軍最高司令部付き特別任務部隊の事)より言葉を頂く!」
大声で喋る男のすぐ近くにいた人間が動いた、その人間は先ほど一緒に歩いてきた側近だった。
「帝国軍特殊任務部隊中央大陸南部中隊長……」
ゆっくりと祭壇の上に上がり眼科に移る全ての人間に向かって敬礼をする。
「レイヴン・イフリート!」
とても透き通った目で辺りを見回し、敬礼を取った。呼吸を整えるとゆっくりと目を見開いて口を動かす。
「諸君らにいくつかの注意点を発表しておく、一つは瑠璃に自らの欲望を重ねない事!」
ざわめきが起きた、しかしそれもすぐに止みレイヴンが再び口を開く。
「もう一つは、反乱軍に出くわしたら直ぐさま逃げる事! 彼等は我が帝国を滅ぼさんと企む民間側の軍隊だ! その戦闘能力は圧倒的と聞いている! 決して彼等の挑発に乗らないように! そして、彼等の最大の特徴を発表する。彼等は――」
突然一拍子置いた、次の言葉を言うのにとても可笑しいのだろうか、笑いが止まらないレイヴンが居た。
「――彼等は、子供だ」
「……」
「えーと」