「一体誰なんですか先生、伝言から察するに知り合いにも聞こえましたけど」
「――アルファセウス最後の一角。フレデリカ・バークです」
聞き覚えがあった、かつて修業時代に聞いた名前。
名を聞いた瞬間レイとアデルは全身の毛が逆立つ様な錯覚を覚えた、それ程恐ろしい名前であり、教え込まれてきた事だった。
「最後の最、最恐――フレデリカ、ついに出てきたか」
ガズルもまた同じように固唾をのむ、噂でしか聞いた事の無いその名前。姿を見た物は帝国外部では唯一カルナックだけであり、その力はエレヴァファルを凌ぎカルナックと同格とも噂された。
「彼女が出てきてしまった以上私が動かない訳には行きません、先に西大陸へと移ります。海上商業組合にもそうお伝えください」
「しかし先生、右腕が無い今先生に勝算はあるのですか?」
心配そうにレイが尋ねる、するとにっこりと笑って後ろを振り返るカルナック。そこには不敵に笑うシュガーの姿があった。
「大丈夫です、御師様と私なら彼女を止められます。君達が出会う前に彼女を止めて見せます。だから今はメリアタウンのライン戦を何としてでも防いでください。御師様支度をして下さい」
フレデリカ・バーク、二つ名を最恐という。
カルナックやエレヴァファル同様「最」の称号を持つアルファセウス最後の一角。
曰く出会ってはいけない。
曰く見てはいけない。
曰くその名を口にしてはいけない。
かつてアルファセウスの中でもその戦闘能力はカルナックと肩を並べる程の強さを誇り、単純な殺傷力はエレヴァファルを遥かに凌ぐと言われている。
かつて四竜と呼ばれる災厄と立ち向かった時も二竜を倒したと言われる存在であり、帝国に魂を売った後もその力は衰えるどころか増強されているとも言われる。
彼女と対峙した者は生存せず、見た者は恐怖におびえ、名を口にすればすぐ傍に現れると言う逸話さえある。
故に最恐。
「分かりました、必ず追い付きます。先生達も決して無理をしないでください」
「無理して勝てるなら簡単ですよレイ君、出来る事なら私も再び会いたくは無かったです。ましてやこの状態でしたら私単独では無謀と言う物です」
「――かならず追いつきます」
不安そうなレイの顔を見たカルナックは左手で頭を撫でた。愛する弟子をこれ以上危険に晒したくないと言うその表情。横顔だけでもそれを伺ったアデルもまた不安に駆られていた。
「おやっさん、次は左腕が無くなるかもな。そしたら介護するぜ」
「――君と言う子は全く、安心してください。その時はアリスに介護してもらいますよ」
憎まれ口を言いながらも世界最強を勝利を信じてそう告げた。
「――アルファセウス最後の一角。フレデリカ・バークです」
聞き覚えがあった、かつて修業時代に聞いた名前。
名を聞いた瞬間レイとアデルは全身の毛が逆立つ様な錯覚を覚えた、それ程恐ろしい名前であり、教え込まれてきた事だった。
「最後の最、最恐――フレデリカ、ついに出てきたか」
ガズルもまた同じように固唾をのむ、噂でしか聞いた事の無いその名前。姿を見た物は帝国外部では唯一カルナックだけであり、その力はエレヴァファルを凌ぎカルナックと同格とも噂された。
「彼女が出てきてしまった以上私が動かない訳には行きません、先に西大陸へと移ります。海上商業組合にもそうお伝えください」
「しかし先生、右腕が無い今先生に勝算はあるのですか?」
心配そうにレイが尋ねる、するとにっこりと笑って後ろを振り返るカルナック。そこには不敵に笑うシュガーの姿があった。
「大丈夫です、御師様と私なら彼女を止められます。君達が出会う前に彼女を止めて見せます。だから今はメリアタウンのライン戦を何としてでも防いでください。御師様支度をして下さい」
フレデリカ・バーク、二つ名を最恐という。
カルナックやエレヴァファル同様「最」の称号を持つアルファセウス最後の一角。
曰く出会ってはいけない。
曰く見てはいけない。
曰くその名を口にしてはいけない。
かつてアルファセウスの中でもその戦闘能力はカルナックと肩を並べる程の強さを誇り、単純な殺傷力はエレヴァファルを遥かに凌ぐと言われている。
かつて四竜と呼ばれる災厄と立ち向かった時も二竜を倒したと言われる存在であり、帝国に魂を売った後もその力は衰えるどころか増強されているとも言われる。
彼女と対峙した者は生存せず、見た者は恐怖におびえ、名を口にすればすぐ傍に現れると言う逸話さえある。
故に最恐。
「分かりました、必ず追い付きます。先生達も決して無理をしないでください」
「無理して勝てるなら簡単ですよレイ君、出来る事なら私も再び会いたくは無かったです。ましてやこの状態でしたら私単独では無謀と言う物です」
「――かならず追いつきます」
不安そうなレイの顔を見たカルナックは左手で頭を撫でた。愛する弟子をこれ以上危険に晒したくないと言うその表情。横顔だけでもそれを伺ったアデルもまた不安に駆られていた。
「おやっさん、次は左腕が無くなるかもな。そしたら介護するぜ」
「――君と言う子は全く、安心してください。その時はアリスに介護してもらいますよ」
憎まれ口を言いながらも世界最強を勝利を信じてそう告げた。