居間に下りると全員が集合していた、何とかなると豪語していたシュガーは酷く落ち込んでいる様子でソファーの上で体を小さくしている。

「気が付きましたかレイ君、体の調子はどうですか?」
「ご心配をおかけしました先生、特に目立った外傷は無く体の方も問題ありません」

 お茶を飲みながら一服していたカルナックがレイに気付いて声を掛ける。その声に反応してすぐさま。

「レイっ!」

 ギズーが駆け寄ってきた。

「ギズー……僕達は全員仲間だ、仲間にむやみに発砲したら駄目だよ」
「しかし――」
「僕の事大事に思ってくれるならもうこんな事は止めてくれ、体がもたないよ」

 優しい顔でレイはそう伝えた、同時にギズーも悟った。
 今後ミト達に向けて発砲すれば必ずレイが助けに入る、もしも、その銃弾が彼の体に着弾してしまったら? それが結果的に致命傷だとしたら?
 もう彼女達に向けて銃を向けてはいけない、その引き金の先には必ずレイがいる。そう悟った。

「分かった、それが結果としてお前を傷つけるのならばもう俺は撃たない」
「約束だよギズー、僕はもう倒れたくない」

 二人は笑いながらそう約束した。と、同時に隣でレイに肩を貸しているミトをギズーは見て。

「すまない、まだお前たちの事を全面に信用したわけじゃ無いがレイとの約束だ。もうお前たちに銃口は向けない、そして先の事は謝罪する。すまなかった」

 周囲の者全員が驚いたのは言うまでも無かった。ここまで素直に謝罪するギズーの姿を見たのは初めてだからだ。それなりの付き合いであるアデルやガズル、そしてカルナックまでも驚いていた。

「大丈夫よ、もしもまた何かあったらレイが守ってくれるから」
「――そうだな」