帝国でもその右に出る者はいないと言われる戦闘狂、エレヴァファル・アグレメント。通称『最狂』との戦闘により右腕を失い現役を引退したが、その強さは現在の剣聖レイ・フォワードと四剣帝全てが束になっても勝てる見込みはない。文字通り世界最強の存在である。だが彼は前線から既に身を引き後続を育てる事に生きがいを感じ日々過ごしている。
勿体ない話ではある、そもそも帝国との戦争時である現在彼が参戦していれば間違いなく帝国は敗北するだろう。では何故彼は戦わないのか、それはカルナック・コンチェルトのみぞ知る。
「出発する時間にはまだ結構あるな」
幾度となく他方面より参戦をと頼まれてきたカルナックだが、返す返事はどれも同じで「お断りします、もう私の時代ではありません。彼等の時代なのですよ」と突っぱねてきたという。カルナックの言う彼等とはレイ・フォワード率いるFOS軍の事である。
「もしかしたら暫く戻れないかもしれないし、メルの墓参りしておいた方が良いかな」
ギルドによって公表された先の戦い。カルナック・コンチェルトが右腕を失い、完全にその前線から身を引くことのきっかけになった戦いで、彼らは一人の少女を失った。名をメルリス・ミリアメントと言う。
何処にでも居るような、そんな印象を受ける彼女のおかげで今彼らはこの場所にいる。得るものより結果としては失った代償が彼にとっては大きかったのかもしれない。
「どうせ皆まだ起きてこないだろうし、単独であれば時間もそんなに掛からないから行くなら今だよね」
メリアタウン北東に位置する小さな山。街全体を見下ろせるほどには大きく、遠くに構える連峰と比べるには小さい。その山頂に彼女は眠っている。永遠に目覚めることのない眠りについた彼女の小さな墓がそこにはある。
勿体ない話ではある、そもそも帝国との戦争時である現在彼が参戦していれば間違いなく帝国は敗北するだろう。では何故彼は戦わないのか、それはカルナック・コンチェルトのみぞ知る。
「出発する時間にはまだ結構あるな」
幾度となく他方面より参戦をと頼まれてきたカルナックだが、返す返事はどれも同じで「お断りします、もう私の時代ではありません。彼等の時代なのですよ」と突っぱねてきたという。カルナックの言う彼等とはレイ・フォワード率いるFOS軍の事である。
「もしかしたら暫く戻れないかもしれないし、メルの墓参りしておいた方が良いかな」
ギルドによって公表された先の戦い。カルナック・コンチェルトが右腕を失い、完全にその前線から身を引くことのきっかけになった戦いで、彼らは一人の少女を失った。名をメルリス・ミリアメントと言う。
何処にでも居るような、そんな印象を受ける彼女のおかげで今彼らはこの場所にいる。得るものより結果としては失った代償が彼にとっては大きかったのかもしれない。
「どうせ皆まだ起きてこないだろうし、単独であれば時間もそんなに掛からないから行くなら今だよね」
メリアタウン北東に位置する小さな山。街全体を見下ろせるほどには大きく、遠くに構える連峰と比べるには小さい。その山頂に彼女は眠っている。永遠に目覚めることのない眠りについた彼女の小さな墓がそこにはある。