「手ぇ退かせレイ、一発ぶっ放してやらにゃウザったらしくて仕方ねぇ」
「まぁまぁ……喧嘩するほど仲が良いっていうじゃないかギズー。どうせ何時もの事なんだから直ぐに収まるだろうさ、何をずっとカリカリしてるんだよ」
「イライラもするわ、俺はまだ認めた訳じゃねぇからな。テメェがあいつ等の肩持つって言うから大人しくしてんだ」
「大人しくしてるっていう割には僕に銃口向けたよね?」

 レイは苦笑いしながら昨日の事を思い出しながらギズーを少しだけ責める、本人もまた痛い所を突かれて気まずそうに視線をそらした。そしてシフトパーソルから手を放して近くのティーカップを取った。

「悪かったよ……俺もあん時は頭に血が上ってて」
「大丈夫だよ、アレだってギズーなりに僕達の事を守ろうとした結果だろ? それぐらい分かってる」
「……っち」

 レイにはきちんと分かっていた、不器用な性格なりにギズーが自分達の事を必死に守ろうとした結論があの行動だという事を。確かに昨日の事を考えれば分からんでもない気がする。突然現れた身元も不明な人間があれほどの戦闘力を持ち合わせている、これが自分達の敵だとしたら? 真っ先にその考えが浮かんだギズーの行動だ。特にギズーはレイの事となると判断力が鈍ってしまう。唯一の親友であり、初めて自分の事を認めてくれた仲間だからだ。

「それより、移動はどうすんだ? あいつらのいう通りスカイワーズでも使うつもりか?」
「いや、今回はスカイワーズを使うつもりは無いよ。そもそも台数が圧倒的に足りない。仮に一台につき二人搭乗したとしてもあるのは三機だけだし、七人も乗れないよ」