二人がそんな話をしながら歩いて巨人の腰の部分が横たわっていたところまで来た、周りにはやはり幾つ物足跡が残されているがこれが傭兵部隊の物なのか、はたまた別の物なのかは区別が一切つかない。昨日の雨さえなければこんな事には成らなかっただろうが……そんなことを考えても仕方がない。
周囲を見渡しても同じような足跡が無数に残されているだけ、レイはため息を一つ付いてレナードに提案する。
「通信機を一つ貸してください、僕が上から見下ろしてみます」
「見下ろす? どうやって?」
レナードは突然の提案に疑問を呈した、通信機を一つ借りたレイは笑顔で地面の感触を確かめてからゆっくりと腰を落とす。そして。
「こうやって」
足元に風の法術を練り上げ一気に放出させた、するとレイの体はバネの様に上空へと押し出されて飛んだ。一瞬で飛び上がったレイを見上げるレナードとミト、その部下達は空を見上げて徐々に小さくなるレイの姿をとらえた。
「結構高く飛ぶんですねレイって、ミラ以上だわ」
「剣聖たる由縁……か、全くあの子は」
ミトとレナードはそれぞれ独り言のように呟き、それが互いの耳に入って顔を見合わす。あまりの出来事に二人は思わず笑ってしまった。常識離れしたレイの身体能力もそうだが、とっさに風を使って上空へと舞い上がる彼の姿が滑稽だったのだ。
「さてっと――」
上空に来たレイはすぐさま辺りを見渡す、最初にメリアタウンを見下ろし昨日と何ら変わらないことを確認する。次に巨人が倒れていた場所へと目線を動かして観察する、地面では見えていた足跡はこの距離になると小さすぎてレイの目には映らない、その代り巨人が地面に倒れた後は綺麗に残っている。いや、そこで彼は異変に気付いた。
「あれは~……」
周囲を見渡しても同じような足跡が無数に残されているだけ、レイはため息を一つ付いてレナードに提案する。
「通信機を一つ貸してください、僕が上から見下ろしてみます」
「見下ろす? どうやって?」
レナードは突然の提案に疑問を呈した、通信機を一つ借りたレイは笑顔で地面の感触を確かめてからゆっくりと腰を落とす。そして。
「こうやって」
足元に風の法術を練り上げ一気に放出させた、するとレイの体はバネの様に上空へと押し出されて飛んだ。一瞬で飛び上がったレイを見上げるレナードとミト、その部下達は空を見上げて徐々に小さくなるレイの姿をとらえた。
「結構高く飛ぶんですねレイって、ミラ以上だわ」
「剣聖たる由縁……か、全くあの子は」
ミトとレナードはそれぞれ独り言のように呟き、それが互いの耳に入って顔を見合わす。あまりの出来事に二人は思わず笑ってしまった。常識離れしたレイの身体能力もそうだが、とっさに風を使って上空へと舞い上がる彼の姿が滑稽だったのだ。
「さてっと――」
上空に来たレイはすぐさま辺りを見渡す、最初にメリアタウンを見下ろし昨日と何ら変わらないことを確認する。次に巨人が倒れていた場所へと目線を動かして観察する、地面では見えていた足跡はこの距離になると小さすぎてレイの目には映らない、その代り巨人が地面に倒れた後は綺麗に残っている。いや、そこで彼は異変に気付いた。
「あれは~……」