「でも確証はねぇ、仮に二千年も未来からやってきたと仮定しても同じ規格(・・・・)を使ってるかなんて保証はねぇんだ。だけど可能性は高い。俺は確信に近い物を感じてるが」

 そこでもう一度ガズルがミト達三人を見た、事の大事さに今一ピンと来ていない様子でレイ達四人を見ていた事に少しばかり拍子が抜ける。声を荒げた自分が少しだけ恥ずかしくなる。

「そもそも時空転移なんて聞いたことねぇ……古文書をいくら読んでもそんな事無理だって書かれてるのばっかりだったし……二千年でこの時代からどれだけ文明が進んでるかもわかんねぇ。あくまでも可能性だ、でもお前らの装備見ると正直今と大差ないんだよな」

 そう言うとミトの服装を下から上までじっくりと見る、視線を感じたミトは胸部を胸で隠して顔を赤く染めた。

「ジロジロ見ないで変態!」
「誰が変態だこの貧乳!」

 互いに罵倒し合った、今までの空気はどこへやらと珍しくアデルがため息をついた。体の事について批判されたミトはさらに顔を赤くし幻聖石をポケットから取り出すと鉄の杖に姿を変えた。そして思いっきり振りかぶりガズル目掛けて投げつけた。

「誰が貧乳よ!?」

 投げつけられた杖は回転しながらガズルの顔に直撃して、ガズルはそのまま後ろへと倒れた。

「ま……まぁとにかく一度先生の所に戻って相談してみようよ、今の僕達じゃミトさん達の手助けになりそうな情報は何も持ってないし。ね?」

 場を取り繕うとレイが提案した、アデルも「そうだな」と頷いて同意する。その隣でギズーもムスッとしながらもそれ以外に方法が見つからないようで渋々同意した。納得はしてないようだが。

「俺は全面的に賛成してる訳じゃねぇからな、変な挙動してみろ、その面撃ち抜いてやる」
「あら、その時はまたレイさんが助けてくれるから私は安心してるわよ」