これまたギズーの会話を遮るようにガズルが割って入る、舌打ちをしてからギズーは会話を遮った張本人を睨みつけてから椅子に深く座って足をテーブルの上に乱暴に乗せた。気が立っている、誰でも一瞬でそれが分かる程に。

「こう見えても学者の端くれだ、謎解きじゃないんだろうが俺達四人の中じゃ一番物を知ってると思う。医療に関してはギズーに負けるけどな」

 不貞腐れているギズーを一度ヨイショしてフォローする、しかしギズーの虫の居所は悪いままである。回復法術を使いながら一度深呼吸をしてミト達に語り掛ける。

「ずっと気になってたんだが、首のそれ何だ」

 ミラの首にぶら下がっている金属に指を刺した。同じものがミトとファリックの首にもぶら下げられている。
 色は銀、鎖に繋がれていて先端にプレートの様なものがぶら下がっている。ミトは服の中に入っていたが首には銀色の細い鎖が光っていた。ぶら下がっているのが目に映ったのは最初ミラの物だった。それから三人をじっくりと観察すると他の二人にも同じ鎖が見えた。

「え、なにこれ」

 指摘されて初めてミトがそのアクセサリーに気が付く。ミラは何か邪魔なものが在る程度にしか認識していなかったようで特に慌てることは無かった。隣で大慌てして服の中からそのアクセサリーを出すファリックに思わずミラが笑う。

「三人とも同じ物なら、何かアンタ達の手がかりになるじゃないかと思ったんだ。よかったら見せてくれ」

 言われて首からアクセサリーを外して一度ミトがマジマジと見つめ、そしてガズルに手渡した。受け取ったガズルは眼鏡を掛けなおして目を細めてじっくりと観察する。プレートの表にはミトの名前が刻まれていてその横にも文字が羅列している。

「タグ……か?」

 どこかの軍隊の様な名称が掛かれているがその名前は聞いた事の無い部隊だった。ひっくり返して裏面を見てガズルは思わず声を荒げる。

「は!?」