傭兵部隊は即座に行動を開始した。
 倒れた巨人の調査と街の復旧作業へと向かう、正直こればっかりはレイ達も感謝している。細かい雑務を全て押し付けているようで後ろめたい所は否めない。だがこれは彼等傭兵部隊からの申し出でもある。
 一度帝国兵が攻めてくれば彼等もまた前線へと出向く、それはこの街に駐在している民間兵や傭兵、またFOS軍も然りである。だがこの街最大の戦力であるFOS軍には普段大事を取って貰いたい。この戦いに勝つことが出来るのであれば彼等は喜んで雑務をこなすとレイ達に告げていた。



 彼等は自分達のアジトへ戻ると応接室に集まった、プリムラ達は怪我人の対応に追われている頃だろう。しばらくは戻ってこないと思われる。ガズルの肩に捕まりながらアジトに戻ってきたギズーは真っ先に椅子に座らせられた、ガズルは申し訳なさそうにギズーに治癒法術を唱えている。思いのほか良いのが入ってしまったようだ。
 他の面々もそれぞれ椅子に座って一息を付く。

「それで、あんたらは一体何者なんだ?」

 アデルが開口一番に質問する、先ほどミトの口からでた言葉を確認するかのように。
 ミト達三人は固まって座っている、中央にミトが居て左右を挟むようにミラとファリックが座っている。三人は互いに顔を見合わせて少し困惑した表情をしていた。数秒沈黙が流れた後ミトが口を開く。

「分かりません、あの巨人を見た瞬間戦い方とアレ(・・)の倒し方を思い出しただけ。私達がどこから来たのかはまだ分かりません」
「テメェ! そんな話誰が信じると思ってやがる!」
「そう言っても分からない物は分からないの!」

 真っ先に噛みついたのはギズーだった、ようやく呼吸が整い苦しさから解放されたギズーがテーブルを右手で叩きつけながら吠えた。

「落ち着けよギズー、手から血が出てるじゃねぇか。それはテメェで直せよ?」