作り上げられた氷の防壁は光の直撃で破壊と形成を繰り返しながらなんとか耐えている状況だった。だが本来絶対零度(アブソリュート・ゼロ)の使用は氷雪剣聖結界(ヴォーパル・インストール)を発動させながらの法術である、まだレイのエーテル残量は残っているが、この状態が長く続けばこの防壁が崩れるのも時間の問題である。レイは何とか三人だけでも逃がそうと試みたが光があまりにも巨大であるがため四方八方を包み込むようにして防壁を囲っていた。

「ヤバイ、持たないっ!」

 破壊と構築を続ける氷の防壁は予想以上にレイのエーテルを消費させている、徐々に構築が甘くなり破壊される部分が多くなってきていた。それに比べ巨人が放つ光は一向に衰えることを知らない。