「おかえり……じゃねぇよ! どうすんだこんなの! 絶対零度(アブソリュート・ゼロ)とトライ・ディザスターのコンボも通用しねぇとかレイヴンなんかよりよっぽどやべぇぞ!」

 お道化たレイの言葉にアデルが切り返す、事実その通りだった。彼らが今まで戦ってきた中でも屈指の強さを誇るこの巨人、動きは速くなるし攻撃方法も変わってきている。特に目から発射されるあの光が難ありなのは言うまでもない。そうこうしている内に巨人は徐々にこちらへと近づいてきている。

「何だ?」

 メリアタウン城壁まであとわずかで手が届くという処で巨人の動きが突如として止まった、すると胸部の装甲が中央から分かれて横に開いた。城壁に設置してある様な砲身が見える。ソレに真っ先に反応したのがギズーだった。彼の記憶の中からそれと似たような重砲を探し出すがどれもこれも一致しない。
 次第に巨人はその砲身をレイ達へと向けるべく状態を傾けてきた、すると砲身は赤く光り輝きだし始めた。

「やべぇのが来るぞ!」

 ギズーの予感は的中した、赤く輝きだしたと思った直後、レイ達を狙った光より巨大な光がレイ達に向けられて発射された。咄嗟の事で彼等は逃げることが出来なかった。

絶対零度(アブソリュート・ゼロ)

 着弾する寸前、本当に直前のところでレイが絶対零度(アブソリュート・ゼロ)によって巨大な氷の防壁を作り上げた。アデル達は手で目を覆い避けるしぐさをしていたが自分達が無事なことに違和感を感じて手を退かす。